内容説明
戦地、戦闘中の兵士はいかにトイレを使用したのか。いままで語られることのなかった「軍隊のトイレ」と「軍隊の衛生管理」を綴った異色の戦史。陣地内のトイレの位置、規模は?トイレットペーパーが無いときは?携帯円匙が役に立つ?行軍中に部隊から離れて用便すると危ない?…野外トイレの秘訣を綴る。
目次
第一部 民間のトイレ(戦前期の便所と下水;江戸時代の便所システム;明治期の便所システム;大正期の便所システム;昭和前期の便所システム;大東亜戦争期の便所システム)
第二部 陸軍の厠(陸軍の衛生と厠;陸軍の消毒方法;兵営の便所;戦場の便所)
著者等紹介
藤田昌雄[フジタマサオ]
1972年、東京都に生まれる。日本陸軍を中心に兵站、軍事史を研究する。軍事史学会会員、軍事法規研究会顧問(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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人生ゴルディアス
3
労作……なのかもしれんけど、そもそも本全体の半分以上が戦前の民間トイレの解説に費やされていて、タイトル詐欺に近い。てっきり行軍や基地建設でのトイレの設置や運営方式についてあれこれ語るのだと思っていたら、トイレの形式、構造は語られるがそれだけであり、「戦場の用足しシステム」の副題から期待されるものとは違った。2025/06/25
in medio tutissimus ibis.
0
後半は陸軍の話で衛生と危険にだけ気を付けるシンプルな話だが、前半は江戸から戦中までの民間と国家にとって屎尿が肥料からゴミへとゆっくり推移しながら完全には移管しないまま寄生虫や伝染病を抑えられるトイレをより安価に開発して普及できるか汲み取りを平時や災害時にどう組み立てるかという面倒くさくも面白いロジスティックの話。肥料にしていたのは知っていたけど、発酵にかかる時間が夏は一月(最短十日)冬は三月と幅があったりする上に明治期に組合が作られるまで細々とやってるだけなので、生のまま使われる事例って結構あったんだろう2025/06/26