内容説明
昭和二十年八月十五日夕刻、九州・大分から宇垣中将率いる特攻機十一機が出撃。二十二名の搭乗員の内のひとりは祖母が慕っていた「おんじ」(叔父さん)だった。終戦後の「最後の特攻隊」で沖縄の海に消えた二十一歳の肉親の生きた証を求め、「戦争」を知らない著者の長い長い旅が始まる。異色の戦争ノンフィクション!
目次
序章 旅のはじまり
第1章 「ヨカレン」って何ですか?
第2章 硫黄島をめぐる出陣
第3章 八月十五日
第4章 拒絶反応
第5章 自衛隊の「彼」
第6章 遺品を追って
終章 「最期」の島
著者等紹介
道脇紗知[ミチワキサチ]
昭和54年、福島県いわき市生まれ。駒沢女子大学を卒業後、旅行代理店勤務、国立大学事務補佐員、厚生労働省非常勤職員、海運会社勤務。25歳の時、祖父の死をきっかけに、一人、戦史研究を始め、栃木、徳島、大分、沖縄、北海道など各地を訪ね歩いての聞き取り調査を続けている。現在、2児の母(旧姓・吉田)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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廊下とんび
4
(書いた当時?)若い女性が書いた本。作者の親戚に当たる人が宇垣特攻で亡くなり、そこから興味を持ち調べ始めたもの。そういう状況から作者の私的な話題が出て来ることは仕方ないのかもしれないけど、どうも(彼氏)とか、そういう話題が出て来ると浮ついた印象を受け興醒めした。2025/04/03
Miho Sato
0
若い女性が戦後60年で祖父の兄の大木正夫がなぜ 終戦の8月15日に特攻出撃したのかを探るルポ。若い女性だけあって途中で自身の彼氏の話などもでてくるけれど、そこは別になくても良かったのかもと思った。特攻は美談として語られることがあるけれど、それはそれぞれの特攻隊員の年齢やバックにあるも思想などでみんながみんが忠誠で飛んだわけではない。戦後生まれの人がほとんどになった日本でも戦後80年で戦時中の事を考えるきっかけになればいいのかと思った。2025/04/06
oyoide
0
知人に紹介されたので、出版社名も確認せずに購入した、読み始めてまもなく、出版社が気になって確認すると、産経新聞の100%出資子会社だった。 なるほどと納得。 著者は、自身の血縁者が特攻隊だったと知り、当時の様子を調べて行くのだが、そこには「加害者」である目線が微塵も無い。血縁者が亡くなったとされる沖縄にまで取材に行ったのに、ひめゆり平和祈念資料館や平和祈念公園には足を運ばなかったのだろうか。 加害の歴史がまるっと抜け落ちたこの被害者態度は、正に歴史修正主義国日本政府の教育の賜物なのかも知れない。2024/08/09