内容説明
戦時の補助海軍力として商船に砲や魚雷発射管、水偵など軽巡なみの武装を施した仮装巡洋艦。助成金で船会社に優秀船を建造させ大搭載量、長期行動力を生かして通商破壊、船団護衛、哨戒から機雷敷設まで多様な任務を担った商船改造艦の歴史。通商破壊戦の典型例、米南北戦争と独海軍レイダーの活躍も取り上げる。
目次
第1章 日清戦争期(四隻の巡洋艦代用汽船;仮装巡洋艦の運用 ほか)
第2章 日露戦争期(商船を仮装巡洋艦に改装;仮装巡洋艦の候補船 ほか)
第3章 大正から昭和初期(特設巡洋艦と呼称される;大正一〇年の候補船リスト ほか)
第4章 太平洋戦争期(一四隻の特設巡洋艦;開戦時の特設巡洋艦の用途 ほか)
第5章 米独の通商破壊戦(アメリカ南北戦争時のレイダー/私掠船;第一次大戦時のドイツ海軍レイダー ほか)
著者等紹介
石橋孝夫[イシバシタカオ]
昭和14年、東京都大田区に生まれる。東海大学工学部卒業。雑誌「シーパワー」編集長(取締役)、昭和60年、同社退社。昭和35年以来、「世界の艦船」「丸」など専門誌に艦艇関係の記事および艦型図を寄稿(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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植田 和昭
8
日清・日露の仮装巡洋艦や太平洋戦争での日本の仮装巡洋艦を扱っている。開戦劈頭の通商破壊戦やインド洋での戦いについても述べられている。この話は、丸エキストラ版でも扱われており、拿捕したオランダタンカーゼノタ号を日本に回航するまでの話が書かれていたと思う。しかし、ドイツの仮装巡洋艦の通商破壊戦とは、戦果が全然違う。南北戦争のレイダーについても書かれており興味深かった。ナチスの通商破壊戦が現在でも船を襲っている映画があったが怖かったなあ。日本での仮装巡洋艦の運用は、失敗だった。だが愛国丸と報国丸はすごいぞ。2024/08/16
Ta283
0
仮装巡洋艦の資料は少ないので貴重、特に日露戦争が詳しい2024/11/11