内容説明
戦争という苛酷な現象に対応しなければならない軍隊の“人事”とは?情実、年功、学歴、能力、成果主義…複雑な日本軍の人事施策にせまり、その実態を綴るノンフィクション!
目次
第1章 陸海軍の人的構成
第2章 「同期の桜」の実態
第3章 一本道ではない大将街道
第4章 人事部局と進級・補職の施策
第5章 公正な人事を阻んだもの
第6章 破局へと連なる人事
著者等紹介
藤井非三四[フジイヒサシ]
軍事史研究家。1950年、神奈川県生まれ。中央大学法学部法律学科卒業。国士舘大学大学院政治学研究科修士課程修了(朝鮮現代史専攻)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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六点
72
帝国陸海軍は、滅亡のその日まで、日本最大のお役所組織であった。東大・京大を上回る俊秀達によって運営されており、多士済々の秀才達を、適所適材とばかりに采配し、配属先に不平不満をもたず、任務に精励していた…。などと、言うようなことは無く、どこの集団にも有りがちな、不平不満を持って帝国内の配置先をウロウロし、職務にあたっていたのである。職業軍人の人的構成に始まり、出世街道やら人事の実際など、「闇」と言うには世知辛い役人人生の始終を読者は味わうことになる。面白うてやがて悲しい軍人稼業をお楽しみ頂きたい。2022/03/24
ごいんきょ
14
陸軍の人事制度は複雑怪奇2024/10/13
CTC
12
2月の光人社NF文庫新刊。通常の組織以上に“命令と服従”が基本になり、“人事は統率”とされるほどに重要ながら語られる機会が限られる旧軍の人事を見るもの。但し過去作『陸軍人事』『陸軍派閥』等の続編的な位置付けで、かつ文庫書き下ろしでもあり、系統立てた話よりもエピソードを“よもやま”的に語るものになっている。「海軍を取り上げないのは片手落ち」との過去作反省から海軍も題材に加えており、比較が生きている部分もあるが、著者は陸軍が得意分野の感はありますよなぁ。題材を絞って濃くしたほうが面白くなったか。2022/03/31
高木正雄
3
再読。陸海軍とあるが陸軍多めである。陸海軍人事よもやま話みたいで面白かった。海軍はレールが敷いてあるそうでなるほど適材適所という感はある。いつか昭和19年の停年名簿を読んでみたい。2025/05/08
高木正雄
1
陸軍は行き当たりばったりの感があるが、海軍はある程度レールが敷いてあるそう。筆者の本はどれもよく調べてありわかりやすい。2023/08/06
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