内容説明
昭和二十二年二月一日、BC級戦犯として処刑された軍医・桑島恕一。伝染病で死者が続出する満州・奉天捕虜収容所に赴任、衛生環境改善と治療に尽くして数多くの連合軍捕虜を救いながら、いわれなき罪に問われ弁明も許されぬまま妻子を残して死んでいった青年軍医の真実を歴史作家が執念の調査で明らかにする!
目次
恕一の生い立ち
恕一、長井に帰還す
上海米軍裁判
戦犯裁判
上海監獄での虐待
処刑の実際
上海における戦犯裁判
BC級裁判の問題点
『戦犯裁判の実相』編纂の経緯
戦時国際法
恕一の遺書
何陋軒
長男・純一の死
遺族は今も悲劇を引きずっている
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
いつでも母さん
161
何故、この軍医・桑島恕一氏が処刑されなければならなかったのかー敗戦国だもの、否応なしに、大きな流れに押し込まれた感だ。嗚呼、悔しい···せめて弁明はさせて欲しかった(泣)やっぱりもう一度言いたい!どうしてこの桑島さんが、あぁ悔しい。2020/12/29
駄目男
18
戦後、行われたB・C級戦犯は短期裁判で、かなりの冤罪があったと思われる。記録によると横浜やマニラなど世界49か所の軍事法廷で裁かれ、被告総数は5700人にのぼり、このうち984人が死刑に処せられた。ここに登場する桑島恕一軍医大尉は、大正5年5月30日生まれで、同年11月生まれの父と同い年になるので少し驚いた。父は辛くも処刑を免れたが、若し、逮捕処刑となれば、今の私はない。昔、フランキー堺が死んだ時に特別番組として1958年に制作された、日本のテレビ史に語り継がれる、フランキー主演の『私は貝になりたい』を見2022/10/06