内容説明
将兵たちは艦内、上陸時において、いかにアルコールをたしなんでいたか―世界各国の海軍と対比しながら、日本海軍の飲酒の実態を明らかにするウンチク満載の軽妙エッセイ。エピソードでつづる帝国海軍飲酒事情。
目次
第1章 「とりあえずビール」から
第2章 酒と策略、あるいは酒と戦術
第3章 海軍とアルコール飲料各種
第4章 酒のつまみとして(エピソード集)
第5章 英海軍式と米海軍式“艦内飲酒と鑑内禁酒”
第6章 「水盃」―謹んで英霊に捧げる
第7章 知って飲むとさらに味わい深い酒の雑学
著者等紹介
高森直史[タカモリナオフミ]
海軍史・海軍料理研究家。管理栄養士。1939年、熊本県人吉市生まれ。1959年、佐伯栄養専門学校卒。1965年、海上自衛隊幹部候補生学校卒。防衛大学校教官、護衛艦補給長、第一航空群司令部幕僚、海上幕僚監部人事課、護衛艦隊司令部幕僚、海幕衣糧班長・給与班長、舞鶴地方総監部経理部長等を歴任。元1等海佐。「海軍肉じゃが」のルーツ発見者。舞鶴、呉の町興し等、海軍料理を通じて食文化普及、栄養相談等で活動。呉市観光特使。2007年、佐伯学園佐伯矩特別功労賞受賞。2010年、叙勲・瑞宝小綬章受章(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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CTC
12
20年光人社NF文庫、単行本は16年同社。著者は栄養専門学校出の管理栄養士、海自に入隊したのち江田島の幹部候補生学校を出て、防大教官や海上幕僚監部給与班長などを務めた元一等海佐。 この経歴であるし話題も豊富、ちゃんと編集者がリードして著者ならではの話を引き出せばなのだが…このレーベルの自由さで、取り留めのないエッセイになった。著者の経歴ならば、実際に海軍将兵が1日平均どのような酒をどれくらい飲んで、陸や民間或いは他国軍と或いは時代でどれくらい異なったかから現代に通じる智慧を提示できるだろうに。2023/04/23
Arisaku_0225
12
題名の通り、日本海軍とお酒に関するよもやま話、雑学をふんだんに詰め込んだ一冊。イメージ通りというか、日本海軍……というか世界の水兵はお酒と切っても切れないような関係だったのだなぁと。著者は「シラフ」で書いてると言ってるが読む方はほろ酔い位で読むのが丁度いい本。面白いのが・陸軍と海軍でお酒の傾向が違うこと・東郷平八郎とお酒のエピソード・アメリカとイギリスの艦内飲酒の違いetc.....。お酒についてはやっと飲める歳になったので勉強がてら〜と読んでみたが、著者の言うように知識を詰め込むより「実習」してこそだな2023/02/11
Yasuhisa Ogura
3
著者は、佐伯栄養専門学校卒の元海上自衛官。珍しい経歴かと思ったら、この学校は旧海軍時代から、軍の栄養士養成を行っているという(現在も自衛官を受け入れているらしい)。本書は、いろいろと脱線しながら、各国海軍と酒の関係について記したもの。著者が自衛官時代に海軍出身の先輩自衛官から聞いた話は、興味深い。海軍と酒は切っても切れないもので、酒癖が悪い軍人がかなりいたようだ。至るところでサントリー「角」の話が出てくるけど、いまの「角」とは味が異なるのは、残念なところ。日本海海戦直前の朝食は「菊正宗」付きだったらしい。2020/09/04