内容説明
戦いは勝たねばならない。勝つためにはいかなる無残、非人道も許されるのか。終戦前、華北・山西の黄土地帯において転進命令伝達の任務をおびた挺身部隊は孤立無援の敵中要塞に立て籠もった―戦災孤児を救い、中国軍の賞賛を浴びた部隊は、降伏勧告を退け、最後の決断の時を迎える。感動の表題作他一篇収載。
目次
囚人部隊、長城に全滅す(地獄送り;不可解な部隊;番号のついた男たち;軍曹と野獣;五人の闖入者;一人の女の死;掠奪の企図;村の酒;焼くな殺すな盗むな;見えない傷痕;非情の掟;鬼なるこころ;転記ある出発;生死の橋)
井坂挺身隊、投降せず(軍は反転せんとす;錯綜する国共戦線;井坂挺身隊死地に;偶然のもたらした不運;戦場に残された孤児;敵の城塞を奪う;ここに指揮官あり;孤児よ幸せに;小石のはいった密書;最後の決意の日;墓碑銘なき部隊)
著者等紹介
楳本捨三[ウメモトステゾウ]
日本大学法文学部中退。在学中より戯曲を書く。昭和14年、渡満。新聞雑誌に連載小説を執筆。昭和21年、帰国。日本文芸家協会会員。昭和63年1月、歿(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。