内容説明
つねに制空を追求して爆撃隊の生還を心がけ、地上の尖兵を疑わず未開の地から苦境へ飛び、無差別空襲の盾たらんと邀撃に邁進した陸軍戦闘機搭乗員たち―その意気と覚悟にみちた空戦ドラマ。
目次
伝聞「加藤軍神」―高き人格に抜き出た手腕
さいはて邀撃戦―二つの墜落の特異性
重戦がめざす敵―いかなる相手にも後ろを見せず
戦果の裏側―名門・飛行第四戦隊にあった撃墜事情
回転翼に託した人生―最善の姿勢で任務に向かう
三式戦の比島、五式戦の本土―エンジンの換装が勝敗を変えた
常陸教導飛行師団と天誅戦隊―明野本校とは異なる存在感
グラマン急襲!―「大東亜決戦号」対「ヘルキャット」
明野の五式戦が迎え撃つ―日本的戦闘機への帰結まで
最高殊勲の防空司偵隊―率先垂範の部隊は強し
著者等紹介
渡辺洋二[ワタナベヨウジ]
昭和25年(1950年)、名古屋に生まれる。立教大学文学部卒業後、航空雑誌の編集勤務。53年、第2次大戦の軍航空に関する執筆に専念。平成22年(2010年)、職業としての軍航空の著述を終了。以後、余暇を航空史研究にあてる(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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roatsu
24
本作は各部隊や将兵達の個々の戦記から帰納法的に陸軍戦闘隊の建制、戦術、教育、実戦の実態に光を当てる小篇集。二式複戦屠龍を駆って本土防空戦を戦った飛行第四戦隊の章にある「空の闘いは勇壮であり、過酷であり、悲痛であり、理不尽であった」の一文は凡そかつての戦史に向き合う際に不可欠の前提認識を説く至言だろう。特攻の件など現代日本人の自分勝手で無責任な平和と反戦への価値観を補完するために戦史を恣意的に解釈するなどあってはならないことである。トータルな陸軍戦闘隊史ではなく、ある程度の知識がないと読み進める上では難しい2018/12/18
フロム
8
陸軍航空隊秘話といった話。義足で飛んでる飛行士の話やら、武装を外して爆撃機に特攻させられる話など盛りだくさん。こう言う本、面白いんだけど割と内容をすぐ忘れちゃうんだよなぁ。2019/02/11
スターリーナイト
1
2023-042023/01/15