内容説明
特殊潜航艇でシドニー湾を攻撃、戦死した松尾敬宇大尉の最期の地を訪ね、現地で大歓迎を受けた母の旅に同行取材した表題作はじめ、回天特攻隊員の母代わりとなった料亭の仲居さんの話、ひっそりと戦後を生きた東条英機夫人の生涯など、満州で対ソ戦とシベリア抑留を生き抜いたルポライターが綴る戦争秘話全九編。
目次
第1章 軍神、この母たち(軍神の母、シドニーに還る;かあちゃんと百三十八人の人間魚雷)
第2章 われ降伏を拒否す(慟哭の島・硫黄島へ再び;散るべき時は今なるぞ)
第3章 声なき雄叫び(抗戦に殉じた人びと;名将・今村均と自衛官たち;東条カツ夫人の生涯;国士・瀬島龍三に学ぶ)
終章 戦い未だ終わらず―“自分史”に代えて
著者等紹介
南雅也[ミナミマサヤ]
大正14年(1925年)5月30日、東京・赤坂生まれ。昭和19年(1944年)、学徒出陣、北支派遣軍から関東軍石頭予備士官学校(甲種幹部候補生13期)へ。対ソ戦参加後、シベリア抑留から昭和24年10月、復員。戦後、戦記誌・狩猟誌・防衛広報紙の記者・編集長10年余。この間、ルポライターとして軍事・戦史、社会問題に取り組み、小学館・文藝春秋・旺文社等に寄稿。また、文化放送で社会番組の録音構成レギュラーでもあった。のち富士急行広報室長も務める。平成7年(1995年)4月16日、歿(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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