内容説明
第一次大戦後、アジアにおける国際秩序を支えてきた米英主体のワシントン条約体制、革命をへて国際部コミンテルンを結成するソ連、欧州で強大な軍を擁するドイツ―三者のあくなき権謀術数の渦中に立たされた日本が進んだ道とは…。兵学校七〇期卒、元海軍大尉が三年半に及ぶ戦場体験を礎に綴る戦争の本当の姿。
目次
第二次世界大戦私観
米国人歴史家の書いた「海軍」
拝啓 松田光夫様
澤本頼雄海軍次官の日記
イッキーズ内務長官の機密日記とルーズベルト大統領
満州事変・大東亜戦争は侵略戦争であったか
海軍少佐石丸藤太『日英必戦論』について
原爆投下の真相を問う
満州事変・大東亜戦争と統帥権の独立について
第一段作戦(南方攻略作戦)と巡洋艦「妙高」
戦艦「大和」と共に
著者等紹介
三浦節[ミウラタカシ]
大正11年、兵庫県加古郡(現、加古川市)別府町に生まれる。昭和16年、海軍兵学校卒業(第70期)。重巡「妙高」、砲術学校普通科学生、駆逐艦「朝凪」、「霞」砲術長として奮戦。20年、終戦、復員。21年、東京大学経済学部入学。25年、三菱海運入社後、海運界大再編により日本郵船に合併。同ロンドン支店長、ニューヨーク支店長、専務取締役、東京船舶社長を歴任。戦後、現代史と大東亜戦争を研究、論文などを多数発表(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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鐵太郎
10
海兵70期、つまり入校した432名中生き残ったのは146名、戦死率66.2%という兵学校卒業者トップだった世代の作者が、平成12年から19年まで書いてきた大東亜戦争に関する小論をまとめたもの。日本は侵略戦争を起こしたのか。誰が日本を戦争に至らせたのか。歴史はどうやって創られたのか。原爆投下の真相は何か。 ・・・こういう見方もありか、と思わせる歴史解釈をひっくり返す歴史論。歴史は一方から見たものが正しいのではない、ということだろうけれど、これが人口に膾炙する論になるかはまた別問題かな。2017/08/26
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