内容説明
大正七年、わが国は英、仏から輸入した戦車の試用研究を行ない、昭和二年、国産初の試製第一号戦車を完成。以降、ディーゼルエンジンの搭載など日本独自の戦車を開発し、ノモンハン事件以降、欧米列強の戦車と激突した。戦車部隊の編成者、設計技術担当者、乗員等それぞれの手記により、日本軍戦車の全容を描く。
目次
戦史をかざった日本戦車血戦録
未だ書かれざる鋼鉄の機動部隊始末
疾風挺進戦車隊 マレー半島縦断記
分捕りM3戦車 ビルマ戦線での大暴れ
これだけは必要な強い戦車設計の条件
戦車はこうすれば走る
戦車兵装のすべて
日本の対戦車砲はこうだった
世界に誇る九七式戦車の特長と魅力
動く要塞 幻の一〇〇トン戦車開発秘話〔ほか〕
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
umihicom2
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「ペリリューで九五式軽戦車が発見されて、車内から戦車兵のものと思われる複数の遺骨が出てきた」なるニュースを観て、ふと積みから取り出して目を通したら面白くて止まらなくなってしまった。 読み終えて、旧日本陸軍とは国防軍そのものであり、大陸や太平洋の島々にゴマを散りばめるような戦い方はそもそも不可能だったのではと思った。もちろん陸軍もそんなことは分かり切っていた辺りが悲劇というか。 ペリリューに限らず、遠い異国で散った全世界の人達が故国に帰れるよう祈りたいし、何か出来ることがあれば自分も協力したい。2023/01/13
渡辺強志
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この本では、支那事変から太平洋戦争で実際に戦っていた戦車兵の回想から、戦車設計のこと、そして戦車学校や戦車の編成など広い分野を扱っています。 戦車兵の回想も勝っていた頃の物と戦争末期の頃のものでは、敵の強さが全然違っている点がとても興味深く、敵の弱点を狙わないと倒せない所に日本戦車兵の苦労を痛感します。 設計陣の対談もなかなか他の本には無く、設計側が日本戦車をどう思っていたのかが分かりました。 この本は日本の戦車に乗っていた人の話を知りたいとか、日本戦車について詳しく知りたいと思った方におすすめです。2018/04/25