内容説明
明治五年、天皇の身辺を警護する御親兵は「近衛兵」と名を改め、陸軍大将西郷隆盛がその都督となる―帝国陸軍は、創設以来、国民の信頼の中で成長し、国の強弱の尺度となり、また、国の発展の礎となって明治・揺籃期を駆けぬけた。列強重囲の中で、清国とロシアを相手に戦捷を果たした陸軍の指導統帥を描く。
目次
明治建軍
日韓および日清談判
成歓と平壌の戦闘
日清戦争の勝利
戦勝の後に三国干渉
聖戦、日露戦争
大山、児玉、黒木
遼陽戦と弓張嶺夜襲
日本の誉れ・太子河作戦
旅順要塞の死闘
沙河および奉天会戦
軍閥国に尽くす
著者等紹介
伊藤正徳[イトウマサノリ]
明治22年、茨城県水戸市に生まれる。大正2年、慶応大学理財科を卒業。時事新報社に入社する。昭和3年、編集局長となる。その後、中部日本新聞主筆、共同通信社理事長、日本新聞協会理事長、時事新報社社長、産経時事主幹、産経新聞顧問等を歴任する。第一級の海軍記者として活躍。昭和37年4月21日歿(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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ミリオター
1
まだ陸軍の規模が小さく、軍閥が政治の表舞台に出てくることはない。軍閥と言っても薩長閥位で、上手く軍閥の統制が取れており制御不能になった昭和との差を感じる。
Eiji Nanba
0
明治日本の陸軍を「軍閥」の視点から描く。第1巻は建軍から日露戦争まで。この頃は政治トップも軍のトップも、共に明治維新を推進した、価値観を共有した人々であったことが、結果として軍の暴走を抑止することができた。2巻以降は彼等が舞台から退場していく…。次巻も楽しみですっ!2017/01/02
nnn
0
正直、司馬遼太郎の考え方に似て居る感がある。 明治陸軍を凄腕の”天才集団”が如く表し、かえって昭和陸軍は勝手に戦争を始める”馬鹿集団”が如くこき下ろして居る。 公平的かつ昭和陸軍の良い面の記述があればもう少しマトモな論評が出来たと悔やむ。 正直、[2]を買う自信は無いし、読む気にはならない。2023/05/19