内容説明
圧倒的な米軍を前に、無意味なる全滅が果たして“忠国愛国”か否かと心の内奥に持ちつづけた若き少尉は、玉砕戦に殉じて二階級特進しながらも、その栄誉を剥奪され、死の真相までもが闇から闇に葬り去られた。少尉がひきいた九人の斬込隊の驚異的な戦闘と孤島戦に秘められた悲劇の真実を描く感動のドキュメント。
目次
深い迷路から
照集団を追跡する
わずかばかりの情報
孤島の驟雨の中で
さまよい出た将校
遠来の四人の勇士
失われたる大義の末
孤島ガラゴンの太陽
語られた勇者の最後
著者等紹介
舩坂弘[フナサカヒロシ]
大正9年、栃木県に生まれる。昭和15年、満蒙学校卒。16年、満州216部隊に入隊、19年、中部太平洋に参戦。21年、復員。その後、書店経営にあたり、大盛堂書店会長。南太平洋慰霊協会理事、全日本銃剣道連盟参与、東京都ユースホステル協会理事など数団体の要職につく。剣道六段教士、居合道錬士、銃剣道錬士。テキサス州名誉市民章を受ける。平成18年2月、歿(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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ひゃく
1
7/8~ ある少尉の二階級特進が消えたナゾを追いつつ、斬込隊として大戦力の米軍と戦ったガラゴン島での戦況を描いた作品。 夏の暑い時季は戦争モノを読みたくなりますが、生きて帰ってきた人たちの証言を聞くにつけ、その経験値に圧倒される。 水木しげるさんの戦争作品は軟弱な兵隊がメインになってることが多いですが、本書に出てくる高垣少尉以下9人の兵隊は皆カッコ良すぎる。 ただ、著者が霊と会話して云々というのは頂けない。 霊に導かれて食糧にありつけたとか、敵がいないルートで逃げられたとかなら納得できなくもないけど。2016/07/19
Yasu
0
舩坂弘さんの本を読むたびに自分のために生きている自分が恥ずかしくなる。日本人であるなら読んでおきたい本だ。2021/01/11