内容説明
列強の海軍艦艇兵力の中核的存在として、一八六〇年前後から約一〇〇年の歴史につちかわれた戦艦。当時、海上に浮かぶ最大級の船、最大最強の武器を搭載した船として、戦艦の保有数は、その国力を表わす指針でもあった。日本海軍の軍艦デザイナー平賀譲をはじめ、各国に存在した巨大戦艦計画を辿る異色の艦艇史。
目次
第1章 平賀デザインの初仕事
第2章 真実の八八艦隊の構成艦
第3章 平賀の乱と改造空母
第4章 帝政ロシア・ソ連海軍の巨艦
第5章 欧米列強の大艦巨砲計画
著者等紹介
石橋孝夫[イシバシタカオ]
昭和14年、東京都大田区に生まれる。東海大学工学部卒業。雑誌「シーパワー」編集長(取締役)、昭和60年、同社退社。昭和35年以来、「世界の艦船」「丸」など専門誌に艦艇関係の記事および艦型図を寄稿(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
niz001
4
がっつり戦艦。前半は平賀譲デジタルアーカイブを元に。後半は各国の。2016/08/11
竜王五代の人
2
計画案とはタイトルにあるけど、たたき台や売り込みの提案・思考実験みたいなものも多々。平賀譲アーカイブの解説・ロシアとソ連の計画戦艦(計画だけは大きい)がメインの二柱。金剛代艦艦本案(副砲は対空砲兼用なので前後に分散させてあるとのこと)のあたりなと、随所に遠藤昭氏への批判が透けて見えるところなど、ちと癖あるが面白い。2023/06/25
zero
2
平賀譲は『栄光無き天才たち』で知っていたが、大和の設計はお手伝いだったとは初耳。近代戦艦の始祖ともいえる「ドレッドノート」の何がすごかったのかいまいちわからないが、「ド級」や「超ド級」という言葉が日本人の中に刷り込まれているので、画期的な戦艦だったのだろう。あと主砲についてだが、フォルム的には三連装が一番だと思う。連装は貧弱で四連装は多すぎ。六連装は変態的で気持ち悪い。2016/08/17
YS-56
1
巨大な砲に分厚い装甲。こういった分かりやすい強さが完全に歴史となってしまった今、これについて知ることが何かの役にたつのか。そんなことを思いつつも、巨獣の幻想に魅かれてしまうのでした。2017/04/29