内容説明
本土上空に彩られた非情の戦い!大戦末期、足摺岬上空で集合するB29に対し、肉迫攻撃を挑んだ、陸軍戦闘機パイロットたちの航跡。
目次
序章 二つの「飛燕」
第1章 艦載機、B29襲来あいつぐ
第2章 海軍戦闘機隊来らず
第3章 陸軍三式戦闘機「飛燕」飛来す
第4章 陸軍飛行第五十六戦隊機動防空作戦を展開す
第5章 足摺岬上空にB29を攻撃せよ
第6章 豊後水道上空に戦機熟す
第7章 「飛燕」発進迎撃す
第8章 戦隊根拠地に復帰す
第9章 雲染めて声なし
第10章 足摺の海と空
終章 とわに伝えんいたみの空に
著者等紹介
高木晃治[タカキコウジ]
昭和8(1933)年、大分県佐伯市生まれ。大戦中は小学生、佐伯鶴城高卒、昭和32(1957)年、京都大(経)卒。繊維商社を経て合繊メーカー帝人と同グループ企業に勤務、帝人商事(株)社長・会長。退職後は米日系三世の航空戦史家ヘンリー境田に協力して戦史調査に従事(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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roatsu
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三式戦・飛燕を装備し西日本上空を戦場に本土防空戦を戦った陸軍飛行第56戦隊の戦いの実相、隊員達の奮戦・生死を詳らかにした力作。昭和20年春に戦隊が一時展開した海軍基地の佐伯にて一少年として街に暮らしていた筆者が、飛翔する同戦隊の飛燕の優美な姿を目に焼き付けたことが本書の執筆に繋がったことが縁の不思議さを感じさせる。古川戦隊長ら生存将兵と日米の戦闘記録を丹念に検証し、絶望的な敗勢下で死力を尽くして戦い抜いた一飛行戦隊の軌跡を強い思い入れとともに今日に残す貴重な記録。往時の航空戦を正しく知る良き史料と思う。2015/10/18