内容説明
昭和十七年七月、旧来の海防艦を廃止し、船団護衛用の艦艇として位置づけられた「海防艦」―南方資源の輸送のための航路確保を担った一七一隻の海防艦は、その任を達成し得たか。駆逐艦を一回り小型にし、魚雷は搭載せず、砲、機銃、爆雷を装備した護衛専門の艦艇。大戦中、急速建造された新鋭艦種の全貌を描く。
目次
海防艦とは
新しい海防艦の誕生と改良(「占守」型海防艦;「占守」型海防艦とその発展型海防艦 ほか)
海防艦の構造
海防艦の主機関
海防艦の兵装(爆雷兵器;砲熕兵装;電波兵器)
海防艦の建造
海防艦の戦歴(日本海軍の海上護衛に対する姿勢;海上護衛戦の実態 ほか)
海防艦の戦い(船団護衛と海防艦の戦い;海防艦の戦闘記録 ほか)
海防艦の戦後(残存海防艦の行方;戦後の日本で活躍した海防艦)
イギリス・アメリカの護衛艦艇(イギリス海軍の護衛艦艇;アメリカ海軍の護衛艦艇)
幻の艦艇・海防艇
著者等紹介
大内建二[オオウチケンジ]
昭和14年、東京に生まれる。37年、立教大学理学部卒業後、小野田セメント株式会社(後の太平洋セメント株式会社)入社。中央研究所、開発部、札幌支店長、建材事業部長を歴任。平成11年、定年退職。現在、船舶・航空専門誌などで執筆。「もう一つのタイタニック」で第4回海洋文学大賞入賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
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鐵太郎
8
あまり知られない海防艦という艦種について、そしてWW2における海防艦の活躍について書かれた、ある意味貴重な本。詳細な情報を興味深く読んだが、戦歴とか戦いとかの章では、あまりにも惨めな連戦連敗の羅列にいささか食傷してしまう。また記録文書としては、書かれた内容も章が変わると前の記述をまたくり返したり、編集の不十分さを感じた。雑誌連載の再構成であってもどうかと思うのに、書き下ろしではいかがなものか。2015/09/19
nizi
4
前半は海防艦の諸元と性能について。後半は戦闘記録(負け戦)。どうして海上自衛隊が親を殺されたかのように対潜能力を強化するのか、それは親を殺されたからと言う事情が分かる。2023/12/11
えるまぁ
2
大内さんの新刊。くどい口調は今回控えめ。おなじネタには「既に紹介したとおり」と注釈が入り少し好印象に(ぇ)。占守、択捉、御蔵、鵜来、丙、丁各型の違いが判りやすくまとめられ、各型の代表艦の戦史なども読みやすい。千葉に平成5年まで最後の海防艦が施設として存在していたとは知らなかった。2015/04/26
維新の里の油搾り係
1
実は高級品だった占守型海防艦。独特の船体断面を再現した模型を作ってみたい2015/08/03
奇想天
1
海防艦関連本の資料としてはよいかも。同じエピソードが何度も出てきて、それぞれ別に書いたものを組み合わせたようだ。通読するよりも、調べ物をしながら拾い読みするのによさそう。2015/06/29
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