内容説明
知られざるサブマリンの戦い。一発必中。“虎の子”の魚雷を抱いて縦横無尽。むくつけき深海の男たちの熱き人間愛!一蓮托生の身であれば、艦長も水兵も分け隔てなく、あけすけな、和気あいあいの海底生活。
目次
忍耐の一語
艦内旅行
家族の談笑
紅顔の少年兵
伊一六九潜浮上せず
ひとすじの油
発射管室
兵員室と聴音室
白鉢巻きの艦長
闇夜の鉄砲〔ほか〕
著者等紹介
槇幸[マキコウ]
大正8年、茨城県生まれ。昭和11年6月、横須賀海兵団に入団。同11月、軍艦「厳島」乗組。12年、上海、揚子江、青島攻撃戦および沿岸警備に従事。13年、水雷学校練習生。14年、二号揚海艇乗組、揚子江作戦、南京、漢口、南昌攻撃戦に参加。15年、潜水学校練習生、水雷学校高等科練習生をへて、伊22潜および伊24潜艤装員。16年、伊25潜に乗り組み、ハワイ、東南および南方海上作戦、米本土砲爆撃作戦に参加。17年、潜水学校教員(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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こまったまこ
6
戦時中の潜水艦のことを知りたくて軽い気持ちで手に取りましたが、予想外に重く、また感動的な内容でした。潜水艦については内部の様子や用語の説明、色々な場面での対処方法などが具体的に書かれており、興味深かったです。それと併行して伊一六九潜が事故で沈没し、空襲下での救出作戦、遺体の収容、さらに戦後30年の時を経ての戦死者全員の遺骨収集の様子が詳細に描かれています。中に閉じ込められた人達の絶望と残された遺書に胸が苦しくなりました。そして彼らが戦後やっと日本に戻って来られたことに感動しました。伊一六九潜よ安らかに。2015/05/21
Ted
2
'87年12月刊。○2024/06/26
ライクロフト
1
太平洋戦争当時の潜水艦乗りによる、実体験による潜水艦エピソード集。期待していたとおりの面白さ。あの時代、潜水艦に乗ることは、たとえ交戦がなくても危険で命がけのものなんだな、と。港内で沈没した艦を最後まで救助しようとするもかなわず、終戦後に遺骨引き上げとなる話も興味深かった。2015/04/04
kaya
1
伊号一六九潜の沈没事故から戦後の遺骨引き揚げの話をメインに、潜水艦の仕組みや、潜水艦での暮らし、戦い方などなど。途中で結構話が飛ぶのでついて行くのが大変な反面、飽きずに読めるような印象。潜水艦のことを詳しく知りたい方は是非。2014/07/23