内容説明
「隼」「疾風」「銀河」を量産する中島飛行機製作所を創立した創意工夫に富んだ男の生涯を直木賞作家が描く感動作。米本土爆撃計画を立案、予言者とも称された日本人離れした大経営者のグローバルな構想。
目次
中島飛行機製作所再訪の記
歴史の町・太田とその人物
国産・中島第一号機ついに飛ぶ
中島知久平の生い立ち
その祖先と家族
家出と上京・受験の猛勉強
憧れの海軍機関学校に合格
機関学校生徒の猛訓練
日露戦争勃発!
黄海の海戦と陸軍の進出〔ほか〕
著者等紹介
豊田穣[トヨダジョウ]
大正9年、満州に生まれる。昭和15年8月、海軍兵学校卒業。16年5月、霞ヶ浦航空隊付、第36期飛行学生(操縦)。18年4月、ソロモン方面イ号作戦で撃墜され、一週間海上漂流の後、米軍の捕虜となる。21年1月、帰国。中日新聞入社。48年、「長良川」で第64回直木賞受賞。平成4年度中日文化賞受賞。平成6年1月歿(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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さきん
30
隼や零戦のエンジンを作っていた中島飛行機の創業者。全く人となりを知らなかった。海軍軍人をやめて、戦闘機づくりに人生を捧げた。戦争に対する先見の明が明るい。大正時代初期にして、空軍の必要性や戦艦時代が終わることに気づいていた。 2019/03/06
月をみるもの
8
知久平のつくった航空機製造会社は敗戦によってすべてを失う。しかしその思想と技術は、地上を席巻しただけでなく( https://bookmeter.com/mutters/173329998 )、やがて宇宙へと受け継がれた( http://www.hayabusa2.jaxa.jp/topics/20180711bje/index.html )2018/07/15
しょうお
0
幕末〜明治から世界大戦そして戦後という日本のかつて無い激動期。この時代を生き、名を為した人たちの志やエネルギーは本当にすごい。だからこういう伝記物は面白い。最も印象に残ったのは、この時代の最もエリートコースから外れようという海軍退官の際の宣言文。最高にカッコイイ。2024/03/08