光人社NF文庫
陸軍人事―その無策が日本を亡国の淵に追いつめた

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  • サイズ 文庫判/ページ数 303p/高さ 16cm
  • 商品コード 9784769828051
  • NDC分類 396.21
  • Cコード C0195

内容説明

なぜ石原莞爾は満州事変勃発時に関東軍作戦参謀なのか。なぜ辻政信は失策しても要職を渡り歩いたのか。栗林忠道は懲罰人事によって硫黄島に派遣された…。日本最大の組織・帝国陸軍の複雑怪奇な“人事”を解明する!

目次

第1部 人事施策が成否の鍵(日露戦争に向けた「今信玄」の妙手;一夕会の布石;支那事変拡大の裏事情;開戦と終戦―決意の人事)
第2部 陸軍における人事の全体像(人事制度の概略;進級と補職;人事を扱う部署)
第3部 常に問題を抱えた人事(人事権を握る陸相人事の迷走;長期政権がもたらす弊害;人事を武器とする功罪;空転した改善施策)
第4部 長期計画とドクトリンの欠如(動員戦略構想における人事計画;認識されていなかった人事管理の原則)

著者等紹介

藤井非三四[フジイヒサシ]
軍事史研究家。1950年神奈川県生まれ。中央大学法学部法律学科卒業。国士舘大学大学院政治学研究科修士課程修了(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ロッキーのパパ

15
旧陸軍の問題点を人事の面から探っている。 満州事変など陸軍が絡んだ事件や、戦況の推移などに新しい見方を提供してくれて、興味深かった。 用語が少し気になった(もっとも支那事変なんかは意図的に使っているんだろうけど)。 戦時にダイナミックな人事運用ができなかったこと、硬直化した組織など、人事管理一般にも参考になるかも。ただ、軍隊では階級がポイントなるから、そのまま一般の組織には当てはまらないけど。2014/03/04

CTC

12
13年、光人社NF文庫書き下ろし。著者は快著『陸軍派閥』の藤井非三四。「労働力の最高能率的利用」のために人事は欠かせぬが、充分な先行研究がない由。結果として、本書執筆だけでは辻政信のような人間がなぜ要職を渡り歩いたか判然としなかった旨も書いているが(この事は『陸軍派閥』に章を設けていますね)、間に役職着目で人事を観る1冊を挟んでの3部作で、人事制度/運用の考察を行っているわけだ。 本書はその1作目であるから、制度の概略や原則などを実例でみてゆく。他国との比較も多いが話が具体的なため、平易で優れた1冊。2018/09/10

SAKU

3
 陸軍の人事に着目した何ともマニアックな1冊。悪い印象しかない、昭和日本陸軍の人事は、なんでこんな人が、のオンパレード。ただ、それは日本陸軍だけじゃない、そう、私の会社もあなたの会社も。2019/09/27

高木正雄

2
再読。天保銭組と無天の比較がおもしろかった。大正末期から昭和11年までの停年名簿を見てみると少佐中佐が学校配属とか連隊付、旅団副官、連隊区司令部部員ぐらいしか補職がないのが目につく。連隊区司令官の大佐で終わりのような人が事変が勃発すると旅団長ぐらいなら夢でもないとなると確かに事変は続いたほうがいいとなる。軍医の派閥争いについてなにを参考文献にしたのか気になる2025/04/17

oooともろー

2
戦時になっても変えられなかった人事システム。無能な上官がなぜ生まれたのか。敗戦の大きな一因。現在の日本企業でも同じ問題は継続。2018/12/16

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