内容説明
国難に際し、国の行く末をひたすら憂い、民族の誇りと国家百年の大計のためには一身を投じて捨て石になろうと思い決め、自裁の道を選択した殉教者たちの系譜。凛冽な無私の精神によりほとばしり出た自決の真実に触れる歴史の証言の数々。自決者の遺稿、自決を描いた名著25編を読み解き、日本と日本人を考える―。
目次
第1部 通史の中の自決を読む(『帝国陸軍の最後』伊藤正徳著―脈々と流れる武士道精神;『小説太平洋戦争』山岡荘八著―日本的道義の殉教者たち)
第2部 自決者の遺稿を読む(『世紀の自決』額田坦編―日本帝国の終焉に散った人びと;『自決と玉砕』安田武・福島鑄郎編―新日本建設の礎となった死)
第3部 自決を描く名著を読む(『シドニーの岸壁』松尾敬宇海軍大尉―これらの勇士は最高の愛国者である;『北ビルマ国境の玉砕戦』水上源蔵陸軍少将―これでお目にかかることもないであろう ほか)
著者等紹介
北影雄幸[キタカゲユウコウ]
東京都新宿区出身。昭和46年、早稲田大学卒業。若き頃より短歌の道に志して、日本語の美しさを学び、「歌集・孤影」を上梓する。平成年代に入り、「男の生きざま」をテーマに、武士道と軍人精神の究明に傾倒し、関連書籍の出版を重ねる(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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VC
3
自決された方(軍人)の最後を様々な本から抜粋し、著者の考えを挟みながら紹介している。2016/07/16
じゅん
3
前大戦における日本軍将兵の自決について取り扱った本。通史ごとや階級ごとなどある程度整理されて紹介されており、今はほとんど失われてしまった武士道精神を垣間見ることができる。ただし、著者の考えが極端で、軍人=潔く死ぬべきとなっているのは同意できない。貴重な指揮官を一戦ごとに失っていては絶対に勝てない。終戦に関しても同様で、生き残って別の業界で活躍した人=恥知らずと言うわけではないだろう。むしろ自決するような素晴らしい人を失ったことで、日本に仇なす者達が跋扈する結果になったのではないか。いろいろ考えさせられる。2014/09/26