内容説明
濃霧に閉ざされた零下二〇度の占守島、熱帯雨林に覆われた東部ニューギニアで想像を絶する戦闘にのぞんだ航空兵たち。蒼空を彩るような航空戦の舞台のかげで任務達成の重圧に耐えながら、人知れず努力を積みかさねる将兵たちの責任感。航法、偵察、整備、要務など陸海航空を支えた人々が担った過酷な運命を描く。
目次
筑波隊残像―突入へ向かう予備士官の心情
陸偵隊に来た七人―同期生を待ち受ける戦場と運命
整備士官の分岐点―逃げずソ連軍を出迎えた責任感
要務士たちのフィールド―いわば航空部隊運用の潤滑油
吹雪と濃霧と航空戦―北千島に彼我の爆音が響いた
下士官兵は強かった―日本戦闘機戦力の中核
社長たちはそのとき―企業指揮官の若き日へさかのぼる
苦い改造―「百偵三型改」は戦闘機たり得たか?
陸軍航法、開花す―戦場が要求した洋上行動スキル
戦う偵察将校―操縦せざる後方席の上級者
超高空への技術戦―独英が競った成層圏飛行能力
北海の雷撃戦―重巡洋艦の航跡を追って
著者等紹介
渡辺洋二[ワタナベヨウジ]
昭和25年(1950年)、名古屋に生まれる。立教大学文学部卒業後、航空雑誌の編集勤務。53年、第2次大戦の軍航空に関する執筆に専念。平成22年(2010年)、職業としての軍航空の著述を終了。以後、余暇を航空史研究にあてる(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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