内容説明
幕府の足元を揺るがすきっかけともなり、江戸民衆たちが鯰絵の風刺とユーモア世直りの願望を表わした安政の大地震。関東大震災において壊滅的な打撃をうけながらも、秩序と冷静さを以て対処した東京市民たち。社会・政治に大きな衝撃を与え、次の時代への転換点ともなった二つの大地震をドキュメント風に描く。
目次
安政大地震―鯰と世直り(震災と黒船の出遭い;江戸市中を経巡って;町方も武家屋敷も;惨害と緊急対策;遺体の列と流言と;地震の後に鯰が現れた;鯰の切腹、鯰の宝船;世直りの前兆)
関東大震災―劫火と流言(「何とも言へない魔の世界」;何百という人が空中へ;非常事態が政治を待っている;「鮮人があっちに逃げた」;「流言ハ漸次悪質化セリ」;文明国の体面からいっても;これを放任するを許さず;江戸はとどめを刺された;思想善導と民衆の組織化)
著者等紹介
永沢道雄[ナガサワミチオ]
昭和5年生まれ。東京出身。朝日新聞整理本部長等を歴任。平成22年2月、歿(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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