内容説明
大戦末期、戦艦「大和」で運ばれ陸戦隊員として英軍と攻防戦を演じた若き士官のひたむきな青春を描く。飢餓、疫病のはびこるインド洋の離れ小島に赴任した海軍第12特別根拠地隊員の生きざま。
目次
第1章 戦艦「大和」
第2章 海軍予備学生
第3章 黙示の海インド洋
第4章 回航指揮官を命ず
第5章 アンダマンは戦略的捨て石
第6章 たそがれのアンダマン
付 戦後の海軍予備学生
著者等紹介
小澤一彦[オザワカズヒコ]
大正12年3月、東京に生まれる。昭和18年9月、早稲田大学政治経済科卒業後、海軍第3期兵科予備学生として館山砲術学校に入校。19年8月、アンダマン島の第12特別根拠地隊に赴任する。戦後、「自治日報」記者、「時の法令」編集長を経て現代評論者に入社、同社取締役を務める(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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dongame6
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戦争も後半の1944年、インド洋のアンダマン諸島に派遣された海軍予備学生の回想記。前半は予備学生としての教育や、同期との交流、アンダマン諸島に派遣されるまでの様々な出来事を描いており、後半はアンダマン諸島での舟艇の回航指揮や、小艦艇での戦闘、陸戦準備や英軍の空襲下の対空戦闘などについて触れつつ、同地の置かれた厳しい欠乏状況にも触れ、最後に終戦と英軍への降伏時の模様、戦後を記した内容になっている。特に兵学校出と比較される事の多い、予備士官としての当時の心情や葛藤、同期間での雰囲気がよく出ており参考になった。2016/04/03