内容説明
昭和20年3月11日、鹿児島県鹿屋基地を発進した24機の「銀河」は、最年少17歳の少年兵を含めて72名の「いのち」を抱いて、確実な死の待ち受ける南方へ飛行する。梓特攻に殉じた搭乗員、遺された肉親、見送った友、そして奇しくも生き残った元隊員たちの知られざる手記、証言から作戦の詳細と実相を描くドキュメント。
目次
序章 海を渡ってきたエアメール
第1章 「丹作戦」計画
第2章 攻撃第二六二飛行隊
第3章 第二次丹作戦
第4章 「梓特別攻撃隊」編成
第5章 全機引き返せ
第6章 「銀河」ウルシーへ
第7章 燕の詩
終章 南溟の墓標
著者等紹介
神野正美[ジンノマサミ]
戦後生まれのエンジニア。永年にわたって集めた日本軍関係者の証言・史料と、海外から得た膨大なデータをもとに、戦史の研究に取り組んでいる(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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黒瀬
42
急降下爆撃と雷撃の両方が可能な『銀河』 決して名の知れた航空機ではない機体と梓隊と呼ばれた特攻隊員の方たちの生き様と貴重な記録の数々。 特攻にいたるまでの経緯、家族や恋人、友人に宛てた遺書、詳細な戦闘詳報など見所多数。女学生の手によって作られたベニヤ板の増槽や、不時着した搭乗員が一機の銀河(本来3人乗り)に11名も乗って鹿屋に帰ったりと逼迫した状況が伝わってきます。 特に私はそれぞれの機毎のペアで撮影された写真と各隊員の遺書(ものによっては写真付)で強くこみ上げてくるものがありました。 2018/07/04
スー
24
138銀河24機は2千キロ彼方のウルシーへ特攻に出撃する、特攻隊員達は出撃まで何を考え想い出撃時間まで耐え死の為に10時間ほどの飛行したのか?出撃した隊員達の遺書や彼等と話し見送った仲間や家族のインタビューで彼等の想いを少しだけ知る事ができたと思います。隊員のひとりは国の為に死ねるか?の質問に俺も人の子だ聞いてくれるなと答えている、病院で出逢った看護婦さんに愛を告げられなかった隊員もいた、それなのに特攻に不向きな銀河で特攻ありきで立てられた作戦で着いたら日は落ち敵も見えず大した戦果も挙げられなかった。2021/12/21
もちもち
2
入院している際に出会った看護婦さんに好きと言えないまま飛び立ってしまった隊員の手紙が一番印象的だった。 しかし、この当時の人は皆綺麗な文を書くなといつも思う。2021/01/28
植田 和昭
2
燕の詩が心に残りました。特攻隊員の人間としての苦悩が見事な筆致で描かれていました。普段涙はでないのですが、涙が出そうでした。2016/09/13
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