内容説明
回天戦において、あれほど多くの青年を死に追いやったにもかかわらず、誰が、どのような責任をとったのか、今もなお歴史上の謎である。佐久間艇長の殉職と自らの死を重ね合わせた、同期で親友の回天創始者・黒木博司中尉―その死の美学に鋭く迫ると共に特攻作戦を通して日本人にとって責任とは何かを探求する。
目次
序章 人間魚雷回天作戦
第1章 黒木博司の死の美学
第2章 〇六金物(回天)の怪
第3章 特攻作戦とその責任を考える
第4章 空気の責任
終章 軍人勅諭の意義
著者等紹介
小島光造[コジマコウゾウ]
1922年、宮城県角田市に生まれる。1941年、海軍兵学校卒業後、海軍勤務。1952年より防衛庁勤務。1972年に防衛庁退職後、主にコンピュータ教育および情報関係の調査研究に従事。1989年、「21世紀人を考える学会」を創立(代表)。2005年7月、歿(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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大森黃馨
4
著者は大日本帝国日本海軍の元軍人であり人間魚雷回天の発案者である黒木博司の友人で更に海軍兵学校入校前からかの撃墜王菅野直の友人でもあったという方(更に私見ではあるが世が世なら515や226を起こしていただろう…戦後長きに渡り防衛庁に勤務していた事もありもしかしたら戦前の空気を長きに渡り引きずられていたそんな貴重な方なのかもしれない)そのような方が先の戦争末期の特攻それが始められ継続された理由を求め所謂空気と結論し更にその先を考察されたそのような著作2023/01/20
Monbe Sakai
0
水中特攻の元祖「甲標的」の艇長で戦後も防衛庁に所属した著者の意見は説得力があり、回天は特攻兵器として不適切だったことがよくわかった。2023/07/19