内容説明
B29搭乗員たちが震えた最強戦闘機隊の在りし日!343空の生き残りエースが、戦後34年目に瀬戸内海から引き揚げられた機体を前に初めて綴る空戦記。
目次
第1章 パイロット誕生
第2章 太平洋の波高く
第3章 暗雲の空
第4章 死線をこえて
第5章 精強「紫電改部隊」
第6章 燃えつきるまで
第7章 国敗れて
著者等紹介
宮崎勇[ミヤザキイサム]
大正8年10月、広島県呉市に生まれる。昭和11年6月、香川県立丸亀中学を中退し、佐世保海兵団に入る。軍艦「磐手」「千歳」「長良」「熱海」乗り組みをへて昭和15年11月、第2期丙種飛行予科練習生となる。昭和17年10月、252空に配属、11月には空母「大鷹」でラバウルに進出、バラレ、ラエ、ムンダ、内南洋を転戦。昭和18年5月、内地帰還、252空再編成、訓練。硫黄島作戦、捷号作戦などをへて昭和19年12月、343空に転属(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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テツロー
7
島田荘司氏の短編でその名が登場していたので興味を持ち読んでみました。252空隊を零戦で戦い抜き、その後経験の豊富なパイロットとして紫電改のパイロットに選ばれ、そのまま本土防衛線を生きて戦い抜いた著者の実体験が語られる。自国、敵国の戦闘機の変遷や戦法の変遷を実際に戦ったパイロットの目線で見ることができる。歴戦の勇士として戦い抜いてきた仲間のパイロットたちが次々と散っていくのに、戦争の厳しさを感じた。2015/01/15
もちもち
3
読みやすい文章で機体や海軍の制度に関する説明も多く、戦闘機パイロットの戦記を初めて読む時いう人にもおすすめ。 私も四国出身なので著者に親近感。 海底から引き揚げられた機体が愛媛にあるようなので、コロナが終息したら見に行きたい。2021/06/08
瑠璃唐草
2
フィリピンの二五二空から松山三四三空へ転属し、紫電改乗りとして本土防衛の任務をこなしてきた筆者の回想記録。とにかく後世に伝えることに比重を置いて書かれているので、私のように関心があるのにどこから手をつけていいかわからない人には、最初の一冊としてお薦めできるのではと思います。実直で控えめな人柄が伝わってきます。仲間たち、とりわけ隊長を失ったときの悲嘆は、いかばかりのものであったのだろうか…。2015/07/20
jun
2
大東亜戦争でのフィリピン以降、本土防空戦において、紫電改に搭乗し闘って終戦を迎えた筆者。その体験談を主題とし、252空、343空の戦いについてよくわかった。この時代の教育の影響もあるが、特攻を行なった方々の中には、愛する日本を守るという思いが確かにあり、命を掛けて守ろうとした日本を、今を生きる我々がいかに先人達の期待に答えて行くべきか考えさせられた。2014/06/09
roatsu
2
丁度自分が生まれた年に豊後水道海底から発見されて引き揚げられた一機の紫電改にまつわる物語。当時多く存命中だった戦友たち当事者の努力で引き揚げられ、今は愛媛・南レクにて静かに翼を休めています。米機を何機撃墜したかではなく当時の将兵たちが絶望的な戦況下で国を守るためいかに勇敢に戦ったか、そして悲劇を繰り返さないために何をすべきかに思いを馳せるための本だと思います。一度当地を訪れ、見てみたい。2013/07/28