内容説明
特攻兵器「回天」の搭乗員となることを拒んだ自らの選択は正しかったのか―今もなお複雑微妙に揺曳し煩悶し続ける内奥をあざやかに表出する感動の物語。吉行淳之介、遠藤周作ら錚々たる作家を育てあげた“鬼の名編集長”が、これまで秘した自身の戦争体験を初めて描き綴る異色感動のドキュメンタリー・ロマン。
目次
第1章 一撃必殺の特殊兵器
第2章 潜水艦の航海士を目指して
第3章 特攻崩れ
第4章 鬱々とした帰郷
第5章 人間魚雷の真実
第6章 まだ終わらない戦後
著者等紹介
大久保房男[オオクボフサオ]
大正10年9月1日、紀州熊野に生まれる。伊勢の県立津中学から慶応義塾大学国文科に進み、折口信夫に師事。学徒出陣で昭和18年12月に出征。敗戦で大学に戻り、21年9月卒業。同年11月講談社に入社、「群像」編集部に入り、30年から41年まで同誌編集長。著書に小説『海のまつりごと』(芸術選奨文部大臣新人賞)などがある
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