内容説明
大島より沖縄まで南東の風九メートル、雲量九、雲高五〇〇、視界不良、小雨、沖縄本島南岸に沿って弱い不連続線…。大戦末期、航空戦に不可欠の気象情報を掌握し、南西諸島の作戦遂行に寄与した海軍気象士官が、沖縄気象班編成までの苦難の道と米軍との壮絶な戦いに斃れた沖縄海軍部隊の最後を描く感動の話題作。
目次
海軍「巌」部隊
海軍気象部
菊水作戦
沖縄海軍地上部隊の崩壊
流浪
著者等紹介
矢崎好夫[ヤザキヨシオ]
大正11年、長野県に生まれる。気象大学卒。昭和18年、海軍兵科3期予備学生。旅順教育隊、横須賀航海学校をへて、南西諸島空に配属。のち海軍気象部に勤務、国分海軍航空隊にて菊水作戦参加、第634航空隊で終戦を迎える。海軍中尉。気象庁、国連職員等をへて、平成13年、国際倫理調査会会長
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感想・レビュー
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よし
2
          
            海軍気象士官の著者による昭和19年7月から終戦前後までの手記。戦争末期、誰もが戦死を覚悟しながら米軍の上陸に備えた沖縄の海軍・陸軍の様子、特攻“菊水作戦”の最前線の大分航空基地での自らの経験、生存者から聞き取った沖縄部隊の最後などを中心に語られており、当時の様子が目に浮かぶようで引き込まれました。詳細な内容からみると著者は日記をつけていたのではないでしょうか。戦争がいかに多くの命や資源を浪費するものかを伝える内容でもあり、今の世の中がそうした犠牲の上に成り立っていることを伝えていく必要があると思いました。2017/08/02
          
        こばこ
1
          
            海軍気象士官が、沖縄で気象班を編成し、その後内地で特攻のための天気図作成に当たったこと、および沖縄海軍部隊の最期(これは伝聞)も描かれた書籍。 小禄飛行場から出た後の話はそれほど濃くもないのかなと思ったらそうでもなく、充実してて読み応えが有った。沖縄から命がけで送られた(これは別の本に詳しいが。)気象情報も参考とした天気図による判断が反映されなかったという話があり、侘しさを感じたところ。 あと、米軍の飛行機の観測結果は別の本では「米軍はわざと漏らしていた」ともあり、どうなのかな、というところ。2016/09/28
          
        吉田よしこ
0
          
            ★★★☆☆2010/12/11
          
        五番町睦十/ごばんちょう むつじう
0
          
            気象方面の感想を書けるほど明るくもなし、戦争の話に首を突っ込めるほど真面目に生きてるわけでもなし。 で、台風の天気図「中心示度794粍」とか書いてあったんだけどどういうことなの。2014/05/02
          
        ひろただでござる
0
          
            死に行く者たちが生きて去りゆく者へ贈り物をするとは・・・。否定しようが肯定しようがこの人達の延長に現在の我々がある。2014/02/16
          
        

              

