内容説明
ソ連軍の満州進出。無敵とまで謳われた精強兵団をおそった恐慌―太平洋戦の敗退とともに第一級の装備と精鋭部隊をことごとく抽出され、戦力無きに等しい窮状の中で打つに妙手なく、与えられた条件のもと、全力で対処しつつ、ついに果たせなかった男の茨の道。在満邦人の批難にさらされた作戦参謀の苦闘の半生。
目次
第1章 恐慌の夏
第2章 流浪の旅
第3章 地獄遍路
第4章 赤い旋風
第5章 望郷飢渇
第6章 転々帰還
第7章 悲しき関東軍
著者等紹介
小松茂朗[コマツシゲロウ]
大正5年、長野県に生まれる。昭和18年、中央大学法学部卒、読売新聞社入社。東京新聞に転じ、社会部記者。19年、応召。満州孫呉電信隊に入隊。終戦にて、シベリヤに抑留される。23年、帰還。東京新聞に復社。社会部記者、支局長をへて社会部次長。52年、日本作家クラブ賞を受賞。平成10年12月歿
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