内容説明
昭和十九年十月二十二日、レイテ湾内に来攻した米軍大艦船群に痛撃をくわえて一挙に戦局を挽回すべく、栗田艦隊は、一路、レイテに向かう。空前の大海戦に臨んで、「大和」の若き飛行科予備学生は二十三歳の前途ある身で、早くも己れの死と向き合い、七日間の決戦場に立つ。彼は何を見、何を心に焼きつけたのか。
目次
第1章 艦隊決戦
第2章 炎の空域
第3章 「武蔵」沈没
第4章 絶妙の航跡
第5章 不意の会敵
第6章 柩の部屋
第7章 灰色の噴煙
第8章 撃沈の秘儀
第9章 命の鼓動
著者等紹介
岩佐二郎[イワサジロウ]
大正10年、神戸に生まれる。関西学院大学卒。昭和18年8月、第13期飛行専修予備学生(海軍土浦航空隊)。昭和19年8月、戦艦「大和」乗組(リンガ泊地)。艦載機偵察員としてレイテ沖海戦に参加。終戦時海軍中尉
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感想・レビュー
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こまったまこ
7
関西大卒予備学生の戦艦大和での体験記。レイテ海戦の七日間に絞った話なので分刻みに話が進み実況中継のような臨場感があります。著者は偵察機の搭乗員のため戦闘中は出番がなく、艦内をあちこち歩き回って戦況を聞いたり見たりしています。さらに艦橋を度々覗いては宇垣中将や森下艦長の横顔を眺めたり、廊下で宇垣中将とすれ違って胸がときめいて立ち止まって宇垣中将に苦笑されたり、能村副長に微笑んだら微笑み返されたり。人物に対する視線が優しく柔らかくて戦記ものには珍しい。後半は悲惨な描写が多くなります。最後まで宇垣びいきでした。2015/06/07
奥 清衡
1
…微笑ましい。
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- 和書
- 曽我量深講話録 〈5〉