光人社NF文庫
憲兵物語―ある憲兵の見た昭和の戦争

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  • サイズ 文庫判/ページ数 216p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784769823988
  • NDC分類 916
  • Cコード C0195

内容説明

軍人であり、そして憲兵でありながらも「敵国」の中国民衆の厚い信任を得て、確実情報を入手し、卓越したその能力は日本軍内部からも二重スパイと疑われた特高班長の仕事。侵略軍の立場をとらず中国大陸の風俗、習慣、人権を最大級に尊重した人間愛溢れる憲兵准尉の真情。「悪役」のレッテルを覆す感動の物語。

目次

反骨精神
「赤紙」来たる
憲兵として
北支へ
軍紀の腐敗
治安工作
「滅共班」創設
「空室清野」作戦
三光作戦
アジア・太平洋戦争
敗戦情報
引き揚げ

著者等紹介

森本賢吉[モリモトケンキチ]
明治43年12月、広島県山県郡に生まれる。昭和6年11月、朝鮮龍山歩兵第79連隊に入営。昭和9年3月、京城憲兵教習隊に入隊、同年12月、朝鮮軍司令官・官邸勤務。昭和12年11月、天津憲兵隊唐山分隊に配属。昭和15年6月、東京陸軍憲兵学校に入校。卒業後、唐山分隊特高班長となる。陸軍憲兵准尉。平成13年7月歿

三宅一志[ミヤケカズシ]
昭和22年3月、岡山県玉野市に生まれる。同志社大学文学部(新聞学専攻)卒業後、朝日新聞記者となる
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感想・レビュー

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roatsu

10
辣腕憲兵として主に河北で任務に就いた森本氏の軍務経験を綴った証言集。記録としての戦史の裏で埋もれゆくその血肉たる部分と直接対峙した往時の実相を生々しく伝える。氏が任務と宣撫の中で体得し実践した支那人への理解と対処は卓越しており、本書でも語られるとおり素朴な日本人からは想像を絶する狡猾さと残忍さも発揮する彼らが独裁政権のもとで対外膨張主義を隠さぬ今、最低限の『侵さず侵されず』を図る上で官民ともに顧みるべき教訓であろう。代議士や官僚を筆頭に支那通を自称する人間でも今やこれすらできていない者は多いと感じる。2016/11/21

korrya19

7
太平洋戦争というか、昭和6年からの15年戦争の殆どを朝鮮・中国で憲兵として過ごした著者の回顧録。 信憑性がどこまであるかは、正直言ってよくわからないが、日本軍が中国の人民とどのような考えのもとに接していたか、一面なり、伺い知ることができる。 「人間、時代に応じて生きていくしかないからね」と憲兵として過ごした青春を悟りの境地で著者は振り返るが、時代をどんなものにしていくか、も、私たちの責任のひとつだと思わせられた。2015/04/08

伊 謄

2
 朝日新聞記者の三宅さんが森本さんを知ったのは、自然破壊の取材がきっかけでした。そこで憲兵時代の記録を見せられて驚愕し、それを朝日新聞広島版に掲載したのが1990年のことでした。  それから単行本になるまで7年程がかかってしまいましたが、それから6年後には文庫化されるまでになっています。  入隊は1931年、憲兵としての勤務は1934年末からですが、当時の中国北部は日本軍・国民党軍・共産党軍が入り乱れて、住民は3つの軍への服従を余儀なくされるような状態でした。そこで、森本さんの指示は「当たり障りのない対応2011/08/17

めそめそ

2
叩き上げ憲兵の一代記。読みやすかった。日本から満州に渡り、いかに人心を掴み、いかに活躍したかが面白く、わかりやすく書かれています。当時の政状や農民のことなどに詳しい反面、大局を知らないと少しわかりづらいかも。また活躍は色々書かれていますが、失敗事例などはまったく書かれていません。資料というよりは、一人の人間の物語としてみた方が良いかも。それにしても、酒もやらず、勉強熱心、民意を掴む優しい心もある、それでいて判断は的確・・・こんな上司だったら素晴らしいですよねえ。2010/05/16

ナナメ

1
おじいちゃんの昔話を聞いているような本だと感じました。興味を感じたことは、面白かったもののそれ以外はちょっと残念でした。とても貴重な体験をされている方だけにきちんとまとめあげた作品にされた方がいいように思いました。2013/05/06

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