内容説明
一九四一年夏、ドイツ空軍の奇襲攻撃で壊滅的な損害を被ったソ連空軍。国土が戦場となり、工場疎開を余儀なくされたソ連航空陣は、いかにしてドイツ空軍を打倒したのか―革命前、航空黎明期の翼幅28メートルに達する「有翼電車」の製作から、スペイン、ノモンハン戦争に到るまで、知られざるソ連空軍を詳解。
目次
ロシア航空機の時代
ソビエト軍事航空の建設
牙をちらつかせるソ連空軍
大祖国戦争直前の軍用機開発
大祖国戦争の勃発
戦力の立て直し
スターリングラード攻防を控えたソ連機
スターリングラード
クバン~クルスクの戦闘
反攻時期の新型機
領土回復と枢軸国の顛末
終戦に向けての戦い
著者等紹介
飯山幸伸[イイヤマユキノブ]
1958年、東京に生まれる。日本大学卒業後、図書館勤務をへて大学院修了。印刷会社、出版社に勤めた後、航空関連の原稿執筆、図面作成を行なう。雑誌「丸」などに橘悠太の名で記事掲載
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感想・レビュー
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tsuyoshi1_48
3
誕生から第二次世界大戦終結に至るソビエト空軍の歴史。これも日本語で読めるのが嬉しい一冊。ソビエト空軍は、スターリン統治下の混乱による技術停滞、新鋭機開発の遅延などのハンディを背負うこととなり、その代償を大祖国戦争における膨大な犠牲で贖うことになります。しかしその苦難を経て、やがては個の力でもルフトバッフェを圧倒する精強な空軍へと成長していきます。ウラル以東への工場疎開を見据えた木製機の研究エピソードなどは、非常に興味深いです。2011/01/18
む
1
航空事始〜第二次大戦終結までのソ連空軍の装備、組織、戦闘を簡潔にまとめた本。ソ連空軍は最近興味持ち始めたばかりなのだけれども図や写真も多くて入門書としてはとても良かったと思う。しかしこの著者の本はいつも日本語が読みづらいので編集部の人たちもう少し頑張ってくれと言いたくなる2018/07/20
同志
0
ソ連系で日本語で読める貴重な本。 そして非常に詳しい。ソ連や第二次大戦の空軍に興味があれば外せない本だと思います2014/05/07
ききき
0
基本的にソ連開発した航空機と、その航空機の開発された時代背景や経緯が書かれている。航空機の開発という視点から戦間期のスペイン内戦〜大祖国戦争、日本への侵攻、戦後のジェット期開発などを見ていく内容。大きな相手だったドイツの事も結構書かれている。戦時下体制を見越した木製に転換できる設計にしていたとか、ゲルニカ爆撃からドイツやソ連、米英の爆撃に対する方向性の変化とか色々と興味深かった。それにしてもあの短期間にものすごく航空機が進化していたんだなぁと改めて実感できた。2014/07/01
χ
0
航空小国(?)から航空大国への遍歴が面白かった。珍奇種が多いらしいからその特集も読んでみたい。愚かなところが目につくのは結果を知ってる者の性分だがそれを差し引いてもだめすぎ。独裁政権の限界2013/06/12