光人社NF文庫<br> 戦艦「比叡」―高速戦艦悲劇の生涯

光人社NF文庫
戦艦「比叡」―高速戦艦悲劇の生涯

  • ただいまウェブストアではご注文を受け付けておりません。
  • サイズ 文庫判/ページ数 312p/高さ 16cm
  • 商品コード 9784769823452
  • NDC分類 556.91
  • Cコード C0195

内容説明

大正三年、世界最強力の超ド級巡洋戦艦「金剛」型二番艦として誕生し、列国海軍垂涎の的となり、その後の日本戦艦群の建造に大きな影響をあたえた「比叡」―軍縮条約の荒波を凌ぎ、練習艦で雌伏の時を過ごし、近代化改装をへて第一線艦として蘇る。太平洋戦争を最もよく戦った戦艦の波瀾の航跡を描いた軍艦戦記。

目次

誕生
御召艦「比叡」
山本五十六
真珠湾攻撃
南雲機動部隊
第二次ソロモン海戦
飛行場総攻撃
南太平洋海戦
第三次ソロモン海戦
「比叡」奮戦
その孤独な死

著者等紹介

吉田俊雄[ヨシダトシオ]
明治42年、佐世保に生まれる。昭和2年、海軍兵学校に入学、第59期。海大選科学生。蘭領東印度出張。米内光政、嶋田繁太郎、永野修身らの副官をつとめる。日米開戦前より軍令部第三部勤務、昭和18年より軍令部員・大本営海軍参謀。終戦時は中佐
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

白義

10
軍艦としてのみならず、御召艦として、軍縮時には練習艦としても活躍し、その機構には後の大和に組み込まれるものが実験的に使われていたりと、後の世代に与えた影響も多大な「比叡」の数奇な生涯の戦歴を描いたもの。通信の不備により被害状況すら正確に把握できず、まだ動けたのに処分された可能性があるというのはまさに悲劇的な最期で、西田艦長の後半の心情と共に物悲しいものを残してくれる。単なる一戦艦の戦記ではなく、その悲劇を取り巻いたマクロな戦史にも詳しくなかなか読みごたえがあった2014/06/26

シャル

8
日本で初めて建造された次世代弩級戦艦にして、最初に戦没することになった戦艦比叡。その数奇な運命と戦いを、周囲の艦と共になぞっていく。擬人化ではないが、一艦に焦点を当てているからこそ、艦の風土と歴史、そして艦長の性格がそれぞれの艦を作り、決定付けていくのが感じられる。そして、アメリカとの戦争では、両者ともにミスの連発、そして幸運の助けもあり、後世だからこそ分かる『完成された戦争などない』ことを思い知らされる。しかしそれでも失敗を放置するとやがて致命傷につながることもまた書かれ、悲劇の要因も明るみに出される。2014/03/02

そらのひつじ

6
高速戦艦比叡の数奇な運命を辿りながら、先の大戦を描く戦記。艦隊から航空戦力へと移り行く時代における、戦艦最後の活躍と悲哀を感じる。真珠湾攻撃は、多くの幸運が重なった結果の成功であり、その後は運頼みの作戦に次々と敗れて行く。この日本軍の戦史は悲惨である。そして、比叡最期のソロモンの海戦における不運と混乱は、悲劇的だ。特に自沈させた後に、機関部が生きていた可能性が出てくるとは、船員達がどれほど無念を感じたかは想像もつかない。2014/08/04

【すとちゃん】

2
数奇な運命というものが軍艦にもあったという印象を持った。WWⅠが勃発した1週間後の1914年(大正3)8月4日に巡洋戦艦として産声を上げた比叡は、昭和になると主砲などを撤去し練習艦という立場に置かれてしまう。しかし、この左遷のような人事(?)により、観艦式(軍艦の軍事パレード)では御召艦(天皇陛下が乗船)という名誉に与れるのだから面白い。そして、大和らに施す新技術を試すために大改装を行い、再び戦艦に復帰するも、壮絶な砲術戦を行った後に、『勘違い』から自沈してしまうという最後。不思議な一生だ。2009/12/22

ジョージ

1
太平洋戦争中の日本の戦艦最初の喪失艦となった戦艦比叡の諸元と艦歴を追った本。ただ比叡そのものの話ばかりでなく、それを取り巻く環境、関連する人々にも焦点が当てられている所が良いと思う。戦前には新造された長門型・大和型が活躍されると見込んでいたが、蓋を開けてみると航空母艦の運用によって高速機動のできる、軍艦でも一番の古株の金剛型が大活躍となったことがよくわかった。 2014年5月頃読

外部のウェブサイトに移動します

よろしければ下記URLをクリックしてください。

https://bookmeter.com/books/553290
  • ご注意事項

最近チェックした商品