内容説明
大戦末期、ドイツ衰退のなかで登場した秘密兵器V2ロケット。音速の数倍ものスピードで大気圏外から目標に突入し、ロンドン市民を恐怖に陥し入れた驚異の弾道ミサイルの全容を描く。宇宙ロケットに生涯をかけたフォン・ブラウンを軸にペーネミュンデ実験場に集った研究者たちの苦悩と、その成果を綴る話題作。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
植田 和昭
8
史上初の弾道ミサイルA4(V2)の開発物語。当時液体ロケットの開発に成功していたのはドイツのほかには、アメリカのゴーダードくらいしかいないがマスコミから詐欺師呼ばわりされている。この本を読むと先駆者であるはずのオーベルトも実際のロケットを作ることに関してはまったくの無能力者にすぎなかったことがわかる。フォンブラウンを見出したことは凄いが、晩年まで特にこれと言った業績はない。ドルンべルガーに陸軍にやとわれてのちのフォンブラウンは、開発計画を管理監督し巨大プロジェクトを完成させていく。すばらしい話だった。2025/02/15
印度 洋一郎
0
20世紀のロケット開発史とも重なりながら、史上初の弾道ミサイル兵器V2の開発へと至る道を詳細に記録している。ドイツのオーベルトを中心とする宇宙旅行協会が始めたロケット作りが、やがてヴェルサイユ条約による軍備制限を打破するためのドイツ陸軍の長距離攻撃兵器へと繋がっていく。それまでにない兵器の開発は暗中模索、悪戦苦闘の連続でエンジンは点火してみなければわからない、ロケットは飛ばしてみなければわからない。その上、飛ばしてみても尚わからない事だらけ。それでも一歩一歩経験を積み上げ、遂に実用化に成功する。2025/05/07
ジャガラモガラ
0
V2の航法の仕組みを知りたくて読んだ。動力の方が重点的に書いてあった。ロケットの動力が簡単なものなら他の兵器同様戦争によって大きく発達していただろう。アドルフ・アイヒマンやヨーゼフ・メンゲレの様な偏執的な情熱をフォン・ブラウンにも垣間見た2019/02/08
arekcey
0
文が硬く、読み通すのに難儀。 誰が何を言ったとか、その時何を思ったとか、なんで知ってるのよと始終気になってしまった。2018/04/13