内容説明
比類なき迫力で戦場を描いた直木賞作家豊田穣の代表作―暗夜のガダルカナル沖で演じられた日米最初の戦艦戦『四本の火柱』、特殊潜航艇甲標的乗員の息づまる海底戦『シドニーの岸壁』、ミッドウェー戦の空母機関員たちの悲惨『総員退艦セヨ!』―“撃沈”の一語に集約された海の男の悲劇を綴る傑作海戦記。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
むらきち
4
3つの物語が入ってます。登場する兵器や個人を細かく書いているのでスラスラとはいきませんが、生々しくとても迫力があります。どれも良かったんですが、とくに金剛級4隻の戦いを描いた「4本の火柱」がよかった。2012/03/05
tsune105
1
幹部候補生としての海軍士官であった著者の証言。 徐々に劣勢となって行く艦隊の戦歴、戦死同期への慰霊など、軍人経験者の観点ならでは太平洋戦争の描写が充実している。 代表の短編である総員退艦せよは、沈没の混乱の中、集団の生命の危機の中での人間の本性を描く。2019/03/21