内容説明
ただ一機での空母攻撃。敵飛行艇との一騎討ち。グラマン大編隊との死闘―。海軍一の若き隊長として、空襲に海戦にそして特攻に、きたえあげた精神力と技量を発揮して、制空権なき苦闘を演じた空の男が綴る感動の空戦記。精鋭「天山」雷撃隊の初陣から悲しき最後まで、大空に殉じた青年搭乗員たちの苦悩と青春。
目次
第1章 運命の第一歩
第2章 天翔る翼
第3章 愛機炎上
第4章 制空権なき死闘
第5章 奇蹟の生還
第6章 精鋭は還らず
第7章 特攻に逝く
第8章 暁に消ゆ
第9章 最後の日々
著者等紹介
肥田真幸[ヒダサネユキ]
大正8年3月、鹿児島県に生まれる。昭和14年、海軍兵学校(67期)卒業。18年6月、大尉任官。7月、331空飛行隊長、9月、551空飛行隊長となり、天山艦攻を擁してスマトラ、アンダマン方面に作戦。19年2月、トラックに進出。3月、攻撃251飛行隊長。大空襲やサイパン沖決戦などにより潰滅をくり返す。7月、横須賀鎮守府付。8月、601空戦闘162飛行隊長。11月、艦攻隊長となり、20年2月、第2御楯特攻隊を送る。2月、254飛行隊長となり、夜間雷撃隊を錬成し、精鋭を沖縄方面攻撃に送る(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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黒瀬
38
『雷撃』 重さ1トンもの航空魚雷を抱え、猛烈な弾幕の中をプロペラが海面を叩くほどの低空で侵入し、敵艦の土手っ腹に叩き込む決死攻撃。そんな危険極まりない雷撃隊の飛行隊長を務めた著者の自叙伝です。 シンガポールでは本来7.7mmのはずの後部機銃を20mmに交換し、米飛行艇カタリナと打ち合うなど破天荒なエピソードも満載。ピンチになっても自棄にならず、冷静に部隊をまとめ上げ、敗戦目前の昭和20年には隊員を安易に特攻で死なせないために夜間雷撃隊を立ち上げるなど、その人間性に頭が下がるばかりです。2016/07/06
もちもち
5
同期の友人たちが次々に戦死し、戦友が減っていく様子が悲しい。 部下が特攻に選ばれないように夜間攻撃部隊を育成したりと、色々と苦心されたのだな…2021/11/17