内容説明
海底に散り逝きし戦友よ、眠れ―いまもなお体内に数十個の弾鉄片をとどめる一水兵が、修羅の海で刻みこまれた苛酷な体験を語りつつ、死者に捧げる鎮魂の絶唱。起死回生の一大反攻をこころみながら、ついに鋼鉄の棺と化した連合艦隊艦艇群が辿った悲惨な航跡を、「大和」艦上の下士官たちの姿を軸に描く海戦記。
目次
第1章 不運なる星の下に
第2章 栗田艦隊、出撃す
第3章 激闘の陰にあるもの
第4章 何のための厳しき訓練か
第5章 軍艦旗はためきて
第6章 「大和」シブヤン海を行く
第7章 執拗なる敵襲に抗して
第8章 炎の海の死闘の末に
第9章 生と死をみつめて
第10章 地獄の島に死せず
終章 惨たる敗北のなかから
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
zunbe
1
どんな本を読んでも「戦争は悲惨だ」と思う。ひとつの爆弾が命中する度に、ひとつの魚雷が命中する度に、何人かが死んでいく。一隻の船が沈む度に、何十人、何百人が死んでいく。そして得られるものは何もない。今、安倍内閣総理大臣が自衛隊の軍隊化を推し進めているが、戦争の悲惨さを知っているのだろうか?2014/06/05
とく
1
『愛宕』そして、撃沈後、『大和』に乗艦した筆者が語る、下士官達のレイテ沖海戦。この海戦について、個々の出来事はよく知ってるけど、そこで戦う人間(≠兵隊)が如何にそれらを体験し、対処したか、という視点で読むことが出来た。空前絶後の大海戦についての理解を更に深めることが出来たと思う。2013/08/29