内容説明
昭和二十年三月、特攻「銀河」二十四機の誘導機として二式飛行艇を駆り、二千六百キロ彼方の南洋に出撃、奇蹟の生還をとげた神風特別攻撃隊員が綴る話題作。大戦末、哨戒、索敵、触接、遠距離輸送と苦渋に満ちた激務の中で、ペア同士の絆で結ばれつつ任務遂行の果てに散った若き搭乗員たちの素顔を赤裸々に描く。
目次
第1章 神風特別攻撃隊の誕生
第2章 特攻への絆
第3章 X日待機
第4章 特攻出撃
第5章 生への死闘
第6章 飢餓の島メレヨン
第7章 終戦
著者等紹介
長峯五郎[ナガミネゴロウ]
大正12年7月、横浜市に生まれる。昭和14年、海軍飛行予科練習生、17年卒業(乙飛12期生)、横須賀海軍航空隊、第851海軍航空隊、第801海軍航空隊、20年3月、神風特別攻撃隊梓隊ウルシー攻撃に参加。終戦時、詫間海軍航空隊、海軍飛行兵曹長。戦後、長峯水産株式会社会長(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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donboo
17
大東亜戦争 終戦まで半年。そんな時代を神風特攻隊の誘導機の飛行士として過ごした青年の体験記である。これまで読んだ資料、インタビュー、取材などにより書かれた書物とは一線を画す。それは著者自身が多感な時期を戦士として生き五感で感じ、経験した全てが凝縮されているから。映像で観る何よりも生々しさを感じてしまう。また、その記憶力に脱帽する。心に刻み込まれた深いキズは一生治癒することはない。それが戦争なんだと。この本は訴え続ける。2016/10/13
植田 和昭
3
ウルシ―特攻の梓隊の顛末を語ったところがメインですが、僕にはメレヨン島の飢餓体験が心に残りました。潜水艦に乗れなかった大部分の人は、終戦まで飢餓に苦しめられたんですね。いつか慰霊に訪れ、環礁内に沈んでいるという2式大艇もこの目で見たいでと思いました。2016/08/29
yamatoshiuruhashi
3
当時、飛行艇としては飛行性能に世界で最も優れていた二式大艇。しかし劣勢の戦局の中、レーダーなどの技術で立ち遅れた装備で飛ぶことはまさに生死をかけたことだったのだと改めて考える。作戦立案者として「命じる特攻」と、作戦従事者の「命じられる特攻」との違いに拘り怒りを覚えながらも、特攻で亡くなった戦死者たちへの尽きせぬ思いは、「カミカゼ○○」と言った表現への異論としても書かれている。これがわずか21歳(満年齢)の若者が向き合った現実だとは今の私たちには畏敬するしかない。2013/03/12
kisuca
0
メレヨン島2016/01/02
ジャッキー
0
飛行艇乗りとして活動していた操縦士の手記。特攻を命令され必死隊となって以降を中心に描かれていた。戦時の手記を読むのは初めてで、当時の人と今の自分との考え方の違いなどをはっきりと感じた。当初の目的であった二式大艇についての記述も搭乗者側から記されており、興味深く読むことができて満足できた。2015/05/18
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