内容説明
傑出した明治軍閥の亡き後、帝国陸軍はその反動の波に激しく洗われた。軍縮の時をへて昭和軍閥は台頭し、政党政治に根底から揺さぶりをかける。中国革命の余波をうける満州の日本権益を守るため陸軍は、ついに国策の正面に躍り出た。内外の不信をよそに、軍備拡張と政治進出に賭けた統制なき陸軍の実像を描く。
目次
第1章 「明治軍閥」は去る
第2章 たちまち起こる増師政変
第3章 軍部大臣武官制の争い
第4章 シベリア出兵
第5章 宇垣軍縮の波紋
第6章 「大正軍閥」の流産
第7章 満州事変
第8章 「昭和軍閥」の形成
第9章 二・二六事件
第10章 軍閥配下の広田内閣
第11章 宇垣内閣を阻止
第12章 近衛文麿の登場
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
熱東風(あちこち)
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近代史は政党政治中心の本ばかり読んできたが、軍をメインにした物も読みたくなって購読。今までになかった視点からの考え方も得られて有益だった。シリーズものらしいが、この年代が一番興味あったのでこの巻だけ購読。2013/09/06
くらーく
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(・_・D フムフム。日露戦争までの成功した陸軍が破滅に向かう過程を追っていく。当時の世界情勢、中国(シナと言った方が良いのかな)、朝鮮半島の状況、日本の世論、言論、経済、そして、軍隊。今更だけど、もう少し富の分配、人種差別、人権に配慮があればなあと。まあ、時代なのでねえ。 明治がうまく働いていた制度が、大正時代に崩れ始め、昭和になって取り返しがつかなくなったのは、創業から操業へのバトンタッチがうまくいかない企業と似た感じもあるなあ、などと。2018/03/10