内容説明
大空の騎士リヒトホーヘンが飛んだ複葉機の時代から、ジェット機が高速で旋回する現代の空まで―日本機の制式名称の由来や初の音速を記録したP38ライトニング、見えないステルス機が見える話など、戦闘機に関する洞察に富んだ話題八十項目をあつめたファン待望の一冊。細部にわたるメカニック図面多数収載。
目次
はじめに偵察機ありき
空中戦闘専門の飛行機を作れ
近代戦闘機の先鞭をつけたロラン・ギャル
プロペラ同調装置付き機関銃の出現
ロマンに生きた大空の騎士たち
日本航空部隊の初出撃
日本航空部隊初爆撃の成果はゼロ
爆撃照準器のメカニズム
引き分けに終わった最初の日独空中戦
日本初の国産戦闘機「会」式七号〔ほか〕
著者等紹介
碇義朗[イカリヨシロウ]
1925年、鹿児島生まれ、東京都立航空工業学校卒。陸軍航空技術研究所をへて、戦後、横浜工業専門学校(現横浜国立大学)卒。航空、自動車、鉄道などメカニズムと人間のかかわり合いをテーマにドキュメントを発表。航空ジャーナリスト協会会員。横浜ペンクラブ会員。自動車技術会会員。カナダ・カーマン名誉市民(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Takeshi Kambara
28
戦闘機マニアの上司と仲良くなりたくて購入。私には未知の世界であった戦闘機の歴史やら進化の過程は、興味も無かったし一生縁のない世界だと思っていたが、なるほどなかなか奥が深い。特に飛行機が戦争に導入されたばかりの第一次世界大戦から、決戦兵器にまで昇華した太平洋戦争までの進化が凄い。機銃の位置から寸法、エンジンの個数からドックファイトの技術まで、戦闘機を人殺しの道具と忌避してしまえばそれまでだが人類の技術や科学の飛躍の影には戦争があるのは事実。そこに命懸けで関わってきた多くの人達のロマンを感じずにはいられない。2022/06/28
富士さん
6
再読。昔読んだときはバラバラな内容だな、と思ったのですが、結構体系的な記述になっていました。第一次大戦からジェット時代まで、値段や推進機関、武装の位置、運用思想の変遷など、ただの兵器の解説にとどまらない記述がなされており、エッセイ的であるのが逆に単なる通時的解説以上の体系性を与えているように思います。特に、ミサイル時代の戦闘機不要論が、同様な戦車不要論と重なって見えて、技術的な革新がもたらす期待と予測が、思った以上に当てにならないことを証明しているように思いました。技術史の一環としても楽しめると思います。2019/03/31
Arisaku_0225
1
80項目ごと「日本陸軍の呼称」だったり「零戦」だったりをテーマに数ページでまとめられて、全体として読みやすい。一次大戦の飛行機黎明期からF-15まで記載され、正に戦闘機入門という印象。零戦押しがすごい。戦闘機について今まで知らなかったけど何か見て興味持ったって人にオススメする本。2021/09/12