内容説明
昭和二十年二月、米軍に日本側を上まわる三万近い損害をあたえ、米国民を震撼させた栗林忠道中将麾下の硫黄島守備隊―世界の戦史にその名をとどめた未曾有の攻防戦を、日米の公式記録はもとより、手紙・日記類にいたるまで詳細に調べあげ、生存者の証言をも得て、極限状況の戦場を赤裸々に描いた感動の記録。
目次
第1章 運命の島(栗林兵団;史上最大の敵前上陸 ほか)
第2章 決死の上陸(二月十九日午前八時五十九分;血に染まった砂浜 ほか)
第3章 摺鉢山の死闘(厚地大佐の堅陣;御楯特別攻撃隊 ほか)
第4章 栗林兵団の最後(地獄の二週間;屏風山の要塞 ほか)
著者等紹介
ニューカム,リチャード・F.[ニューカム,リチャードF.][Newcomb,Richard F.]
元AP通信本社国際部デスク。第2次大戦中、米海軍の従軍記者として太平洋戦線の取材、報道にあたった。原爆搭載艦だったインディアナポリス撃沈をスクープする
田中至[タナカイタル]
1927年、京都府に生まれる。海軍兵学校卒業(76期)。戦後、青山学院大学英文科、コロンビア大学大学院新聞学科を卒業(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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モリータ
8
忙しさにかまけて読めてないですが、ざっと再読。寝る前にYouTubeで戦争映画の戦闘シーンばっかり見てるのもなんかアレですね。2018/11/15
可兒
3
表紙にある有名な写真…に関する、ロマンもへったくれもないエピソードをふくめ、ほとんど陣営ごとの主観を排した徹底的な「記録」としての硫黄島戦記。膨大な取材と手紙などの資料に頼った執筆であり、当然かたよっているが興味深い。「もう日本軍は、神風という贅沢をやめていた」といった表現が印象的2010/01/11
好古
2
【感想】最初ー米兵から見た硫黄島の戦記かと思ったが、硫黄島の戦いを、日米両方の視点から交互に描写したノンフィクションであった。こんな凄惨な地獄の様な戦いだったのかと驚く。後半はほとんど米兵が上陸によって多大に犠牲を払い、次々に日本軍の砲撃によって死傷していく様が淡々と描かれる。まるで戦場の記録フィルムを文章で読んでるようで、凄惨な人体破壊描写がひたすら続き、ひたすらに惨いだけなのでそうした部分は流し読みしてしまった。2025/03/15
もちもち
2
勝ったほうの米軍でさえ兵士がバタバタと倒れ、指揮にあたる人が一週間の間に何人も交代する始末。 増援・補給物資も来ない、負傷しても病院船も来ないと分かりきっている日本軍兵士はもっと過酷であったであろう。 生きて本土に帰った人が少ないので、日本軍兵士の手記も少ないんだよ…2021/05/14
zunbe
2
アメリカ人の目線で書かれた硫黄島の戦い。今まで私は、太平洋の島々の戦いでは、アメリカ軍が一方的に攻撃しているものだと思っていた。艦砲射撃や航空攻撃で日本軍陣地を破壊し、洞窟に手榴弾を投げ込み、火炎放射器で焼き払い、日本軍の戦いは絶望的なものだったと思っていた。いや、絶望的なのは間違いないが、迫撃砲や狙撃なので、かなり反撃できていた事がわかった。不謹慎なのかもしれないが、少しほっとした。私は戦後生まれで戦争は知らないが、戦争は悲惨なものだと思う。日本の政府も戦争をしない方向に政治の舵を切ってほしいと思う。2015/02/03
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