内容説明
零戦の初陣に参加して三十機中二十七機撃墜の大戦果をあげ、全機ぶじ帰還した栄光の日から、その最後の日まで、出撃二百五十余回、飛行時間五千時間、常に零戦と共に戦い、タイガー・パイロット精神に徹して不惜身命の空中戦を演じた自らの血塗られた体験と、幾多のエースたちの奮戦と哀歓を描く感動の空戦記。
目次
第1章 大空に生きんと欲す
第2章 でっかい青春が飛ぶ
第3章 壮士ふたたび還らず
第4章 常にゼロと共にあり
第5章 栄光の蔭に涙ありて
第6章 あゝラバウル零戦隊
第7章 特攻ゼロ戦隊奮戦す
終章 限りなき愛をこめて
著者等紹介
横山保[ヨコヤマタモツ]
明治42年、横須賀に生まれる。昭和6年、海軍兵学校卒。10年、霞ヶ浦空飛行学生修了(中尉)、飯山空、佐伯空をへて12年、大村空分隊長。以後、13空、木更津空、空母「蒼龍」(大尉)、大村空各分隊長を歴任、15年6月、横須賀空付となる。同7月、12空分隊長、以後、1空、3空、大村空、204空飛行隊長をへて、18年5月、11航艦参謀、同9月、26航戦参謀、19年3月、横須賀空付、同6月、筑波空飛行長、20年5月、203空飛行長。築城基地にて終戦。海軍中佐。29年、航空自衛隊発足と同時に入隊し、第1航空団副司令、中部航空方面隊司令部幕僚長、第7航空団司令(空将補)などを歴任。39年退職。56年3月歿
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感想・レビュー
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イプシロン
29
著者は三代続く職業軍人の家に生まれ、兵学校に進んだいわゆるエリート(士官)組の人なので、私にはその感覚がわかりかねた。なので、素直にあの戦争そういう風に感じていたのかという偏見のない読み方をするのが精一杯だった。ほとんどが主観的な記述なので、後に数々著された客観的な戦果を追及するジャーナリティックな視線はなく、情緒性が濃い部分には、それなりに残念さがあったが、いまだあの戦争の実相を客観的に見るという風潮がない時代に書かれたものと考えるなら、許容できる範囲だろう。情緒に傾いてものを見れば、いかに悲惨な戦争2022/08/05
しょうご
1
著者は大東亜戦争を通じて零戦立上げから関わってきました。飛行隊長として試作機「零戦」をもって、また開戦フィリピン攻撃を、そしてソロモン方面、ラバウル、トラック島と消耗戦を戦いました。国防の元、特攻隊を何度も送り出し、戦友や部下が飛び立つのを見送りながら涙を隠していたのです。零戦の初戦から最後までを見届けた生き証人。最終章に「特攻ゼロ戦隊奮闘す」では若く散った特攻隊員の遺書が涙なくして読めません。
たろう
0
卒論用に…