内容説明
感動を呼ぶ迫真の海戦ドキュメント。
目次
1 触接
2 目標
3 回避
4 挫折
5 逃走
6 執着
7 楽観
8 実現
9 之字
10 猛襲
11 被雷
12 反響
13 消滅
14 勝利
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
デューク
1
長らく世界最大の軍艦であり、太平洋戦争の逆転の切り札として建造された、空母信濃。大きすぎる期待とは裏腹に、処女航海で潜水艦により撃沈されるという悲劇の軍艦の、最初で最後の戦いを描いた一冊。 日米双方の視点から、交互に物語は進む。結末を知っているとはいえ、まるでミステリー小説のような、手に汗握る物語の展開。丹念な取材と、公平な視点から紡ぎだされる物語は、第一級の歴史書の名に恥じない。おすすめ2016/08/06
鈴木誠二
0
空母信濃を撃沈した潜水艦長自身による著作なので、実に迫真性がある。この頃のアメリカと日本の決定的な差がついた探査能力の違いには、ただ嘆息。アメリカ潜水艦内の描写も興味深い。『空母信濃の生涯』(併読をオススメ)を書いた豊田穣さんなど、資料に基づき、日本側の動きも並行して描いているところも良い。2017/08/19
さるぼぼキング
0
大和、武蔵と同型の超戦艦として建造されながら、ミッドウェーでの惨敗など、戦局の変化にともない空母へと設計変更した当時世界最大の排出量を持つ信濃、処女航海中に米潜の魚雷攻撃によって沈没。 一度も空母として使われることなく海に沈んだわずか17時間の処女航海の記録。 撃沈した米潜艦長が書いたものだが、勝者の側に偏ることなく、 数少ない日本側の記録や生き残りの艦員の証言など、多くの資料をもとにして幻の巨大空母の最期が濃密に描かれている。2012/04/17