内容説明
ユニークな男だけの軍隊生活のすべてをイラストと共に綴る。大日本帝国陸軍―明治5年の徴兵令公布に始まり、昭和20年に栄光と悲惨の歴史に終止符を打った73年の生涯。
目次
兵隊検査
入営の日は雪だった
戦争とは歩くこととみつけたり
わが中サン
怪談
ああ三八式歩兵銃殿
射撃モッサリ
ゴム製の鉄兜
書簡について
炊事モサ〔ほか〕
著者等紹介
棟田博[ムネタヒロシ]
明治42年11月、岡山県津山に生まれる。早稲田大学文学部国文科中退。陸軍伍長、日華事変中に徐州戦で負傷。太平洋戦争中は陸軍報道班員として南方各地へ従軍。帰還後、「分隊長の手記」を発表。昭和17年、「台児荘」で野間文芸奨励賞受賞。文芸家協会評議員等を歴任。昭和63年4月歿(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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龐統
1
映画「拝啓・天皇陛下様」の底本にもなったエッセイ集。元同僚やお客様で兵役経験者がいたその記憶に付き合わせてみても、かなり実態に近いと思われる。2024/06/11
七六式
1
光人社の従軍記〈イラスト・エッセイシリーズ〉から文庫化された一冊で、日本軍についての関心が湧いたとき最初に目に留まったのがこれでした。著者は昭和初期に現役兵だった方で、現在多く見聞きする終戦時の戦争経験者の方々よりだいぶ上の世代です。歴史の証言はその人の地位や所属、制度、出征時期や出征先によって内容が全然違うのが当然なはずで、それぞれの本での語りによってもまた印象はどこか変わってくると思いますからこういった体験記はできれば数を読むのがいいのですが、このシリーズはその手始めにオススメです。
好古
1
【備忘】内心はともかく建前は兵隊にとられることは日本人の名誉だったがやはり徴兵検査でハネられた方はホッとするらしい。完全軍装は30kg。砲弾の下をくぐると行軍の疲労も一種の酩酊状態で麻痺するらしい。辛く長い行軍中は逆に戦闘を待ち望むという心理状態になる。昭和6年頃の兵隊の日給は18銭。(うどん4銭、アンパン3個で5銭、タバコ20本7銭。)炊事兵は荒くれの集まり。世界恐慌の折は農村出身者の兵隊が多いため下士志願の倍率が例年の3倍になった。酒保は地方の半額で買い物ができコンドームの自販機まであった。2023/06/11
テプコにゃん
1
味はひがすごい2022/01/31
Gen Kato
1
「軍隊」を知る資料として。2013/10/19