内容説明
太平洋戦争開戦時の比島空襲を皮切りに、蘭印、ソロモンの空を席巻した台南空―台南海軍航空隊。数多くのエースを生んだ戦闘機隊の激闘を、日米英豪蘭の記録を調査して立体的に再現する決定版空戦史。
目次
第1章 昭和16年12月―開戦、比島攻略
第2章 昭和17年1月―蘭印ボルネオ攻略
第3章 昭和17年2月―ジャワ攻略作戦
第4章 昭和17年3月―ジャワ航空撃滅戦
第5章 昭和17年4月―ラバウル進出
第6章 昭和17年5月―「空の毒蛇」との戦い
第7章 昭和17年6月―モレスビーのつば競り合い
第8章 昭和17年7月―モレスビー陸路攻略
第9章 昭和17年8月―ガダルカナル攻防戦開始
第10章 昭和17年9月―白熱のガダルカナル攻防戦
第11章 昭和17年10月―台南空最後の戦い
著者等紹介
郡義武[コオリヨシタケ]
昭和15年(1940年)、三重県桑名市生まれ。平成12年(2000年)、大日精化工業株式会社を定年退職。在職中から余暇に航空史、幕末史の調査研究に取り組む(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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roatsu
14
台南空の開戦からガ島上空の激戦を経て昭和17年10月に壊滅状態となるまでの奮闘を主に日本側記録で俯瞰できる。台南空の奮闘と敗退は日本海軍の作戦の拙さ、零戦の限界、そして態勢を整え反撃に移った米陸海軍航空隊の恐るべき手強さを如実に物語る。今日、撃墜王と称される搭乗員をまだ多数擁し、零戦も無敵を謳われた大戦初期にあってガ島の米航空兵力に勝利できず拠点化を許し制空権も敵手に委ねてガ島戦惨敗の一因を作った容赦ない現実は、個々の将兵の奮戦や勇ましい零戦物語とは別に日本人がまずもって認識せねばならないものだろう。2016/07/17
篠田@書店員復帰を目指し中!
10
台南海軍航空隊は大日本帝國海軍の航空部隊である。エリートであり、エースパイロットの集団なのでやはり強い。そしてかっこいい。その台南海軍航空隊の戦闘日誌とはとても貴重ではないだろうか。日誌の内容はとても丁寧に書かれているため、読みやすい。笹井醇一中佐をはじめ、台南海軍航空隊はツワモノ揃いである。2014/05/02
む
1
期待はずれ。台南空の行動調書をそのままテキスト化し、それに解説を加えるというスタイルで開戦から17年10月まで追った本。しかし、行動調書はネット上で誰でも閲覧できる以上のものはなく、参考文献によれば解説の元となる本は有名かつ市販のものばかり。つまり、新情報がほとんどない。さらにどこまでが引用なのかもわかりづらく、資料の手引きとしても使いづらい。 好意的に捉えれば、台南空に関する情報を一冊にまとめた、ということに価値があるのかな。期待していただけに残念。2019/03/06