内容説明
かつてドイツに存在した世界最大のカメラメーカー“ツァイス・イコンAG”―コンタックス、コンタレックス、コンタフレックスなど光学と精密機械工学の粋を集めた高級機群を生み出し、近代工業としてのカメラ産業を確立して世界のカメラ市場を支配した巨大企業の110年にわたる歴史をたどる。
目次
第1部 ツァイス・イコンの歴史(イカ/ツァイス・イコンの源流(1)
ゲルツ/ツァイス・イコンの源流(2)
エルネマン/ツァイス・イコンの源流(3)
コンテッサ・ネッテル/ツァイス・イコンの源流(4)
ツァイス・イコンの成立
戦後の姿)
第2部 ツァイス・イコンのカメラ(コンタックスの誕生前夜;コンタックス1型;コンタックス2型/3型;コンタフレックス;ジュンタックス/東独製コンタックス;コンタックス2a/3a;コンタフレックス一眼;コンタレックス;ツァイス・イコンの落日)
著者等紹介
竹田正一郎[タケダショウイチロウ]
1931年生まれ。1956年から63年までドイツを中心としたヨーロッパで生活。大手食品企業退職後は文筆業に専念。著書・訳書多数(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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Hydeo O.tany
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ライバル視されるツァイス・イコンとライカが、実は規模に相当な差があり、それが行動原理の差にも繋がっているし、日本のカメラメーカーとの競争で両者が明暗を分けた理由でもある。コンタックス1型の不合理に思える部分には全て理由がある。等々、刺激的な記述に溢れて読者を飽きさせない。ツァイス・イコンの歴史を物語として再構成しているので主観的な記述が目立つが、それが面白味となっている。本書に学術的な厳密性を求めるよりは、カメラ好きの物識りのエッセイとして楽しむ方が宜しかろう。2017/02/12