光人社名作戦記
遺書配達人

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  • サイズ B6判/ページ数 215p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784769811176
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0393

内容説明

「週刊文春」創刊号を飾った連作十三篇。日本敗戦による飢餓とインフレの時代に遺書を託して戦場に消えた戦友の最後を配達する一兵士の見た戦争のつめあと。

著者等紹介

有馬頼義[アリマヨリチカ]
大正7年2月、東京に生まれる。学習院初等科より成蹊高校に進んだが、野球に熱中して退校となる。早大第一高等学院に転じたが、小説を書いて稿料を受けとったことがもとで、放校処分をうける。徴兵延期の特典を失い、昭和15年1月、招集されて満州に渡る。18年4月、除隊。帰国して同盟通信記者となる。隣組長、防空班長をつとめながら、反戦小説を書きつづけ、終戦を迎える。昭和29年、「終身未決囚」により第三十一回直木賞を受ける。昭和34年、「四万人の目撃者」で探偵作家クラブ賞を受賞。その後、「東京空襲を記録する会」理事となり昭和55年4月没(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

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James Hayashi

36
ノンフィクションでなく小説だった。初聞きの作家であるが、直木賞も受賞されている。週刊文春創刊号の連載ものになり映画にもなった。各章ごとに東京裁判の判決や朝鮮戦争の開戦が伝えられ時代背景が観れる。物語は戦争中病気で満州より帰国をする兵士が部隊の兵士の遺言を持ち帰りその家族へ渡すというもの。その家族は娼婦になっていたり、孤児になり人に預けられたり、入院されている人など。戦争に出向いていない家族も戦争に振り回され、戦後も苦労されていることが読み取れる。涙を誘う人の生死というより、生き抜くことを考えさせられた作品2018/03/08

aotsubame

2
第二分隊の兵士十三名の遺書を懐に内地送還となった西山上等兵は風化し始めた戦争の影を引き摺って遺族達を捜し求めるが、彼の前には厳しい現実が立ちはだかる。読み手に安易な感傷を許さない。「人の幸不幸はその死後でなければ判断してはならない」(124頁)2017/11/13

tecchan

0
60年近く前に書かれた戦記物。病いにより内地送還となった主人公に託された13通の戦友の遺書。舞台はその後全滅。遺書を身内に配達することを自分に課した人生。遺族の様々な人生。戦後の過酷な生活。なぜ自分は遺書を配達するのかを問う主人公。戦争に対する、そして、生き残り、威張りちらす偉い人たちに対する著者の怒りが滲み出る。2019/04/04

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