内容説明
本土決戦か降伏か―徹底抗戦を呼号し、終戦の日の朝、遺書・辞世を残して自刃した一軍人の波爛の生涯。最後の陸軍大臣として、国家の未来を切り拓くために、精魂を傾け尽くした実直、生真面目、心やさしき男の素顔―戦場においては、つねに大胆に戦いながら春風駘蕩の風格をもただよわせた“遅咲きの武人”を浮き彫りにする異色の人物伝。
目次
第1章 遅れた来た人
第2章 不器用の美学
第3章 沸騰する氷点
第4章 テロルの季節
第5章 幻の敵をもとめて
第6章 人馬は進む
第7章 襤褸の旗
第8章 撃ちてし止まん
第9章 〓外の兵
第10章 歩く兵隊と玉砕の島
第11章 悲風・川中島
第12章 星の投影
第13章 百鬼夜行
第14章 もう一つの戦場
終章 志操の碑