内容説明
最後の徳川家臣団総数33400余人、苦難の時代に遭遇した幕臣たちは、幕府が潰え去ったあと、何を思い、どう生きようとしたのか。ある者は徳川に殉じ、ある者は新政府の役人になり、ある者は商人になり、またある者は農業にたずさわり、ある者は新聞をおこした。成功した者もいれば失意の淵に沈んだ者もいた。しかし、彼らは、「士の心」を失うことはなかった。「日本人の心」を持ちつづけた男たちのロマン。
目次
福沢諭吉―幕臣としての心はあるのか
勝海舟―行蔵は我に存す、毀誉は他人の主張
榎本武揚―日本魂に磨きをかけて発揮せよ
土方歳三―武士の心をつらぬき通せ
川路聖謨―遺言と申せば忠の一字なり
高橋泥舟―富貴栄華にまつわるは愚の限り
鳥居耀蔵―奸を去り、夷を攘う
松廼家露八―五月雨に飛び出して行く蛙かな
中条金之助―牧之原の茶のこやしになる