内容説明
軍隊のお目付役、鬼の憲兵と思いきや、シャバ気たっぷり、人情味あふれ、涙もろい、泣きむし伍長ドノの物語!荒くれ男の集団の治安を守り、情報戦、スパイ活動に暗躍した風流憲兵アラカルト。
目次
憲兵とは
誉れの入営
別れの季節
憲兵になるみち
チャイナ・タンゴ
擲弾筒分隊
初年兵の歌
ラッパは卑しからずや
不吉な黒い帽子
憲兵志願
入学試験
一期の検閲
赤いケシの花
タキシード
花の都へ〔ほか〕
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
手ぬぐいゲッター
1
著者は憲兵として、敵スパイが使う無線を傍受することによりスパイ組織を摘発する仕事をしていたそうです。 軍隊内の犯罪を取り締まるのが憲兵の仕事だと思っていましたが、それ以外にもスパイの取り締まりも仕事に含まれるのですね。2023/08/26
subuta
0
敵工作員の無線電波発信源を逆探知する防諜活動を主にしていたためか、泣く子も黙る憲兵隊のイメージとは重ならなかった。腹が空いて夜に買い食いした話や、接待で芸者を手配する話など、南方の地獄のような体験談に比べると、のどかさまで感じてしまいそうになる。実際は銃撃戦があったり空襲で死者が出たりと、死の危険が身近ではあったようだが、その辺の話は作者が敢えて抑え気味にしているような気もした。2016/07/28
ユーキー・ノウェイン
0
著者が中隊長から憲兵としての見込みを得て、本土に帰るかと思えば、北京に新しく出来た憲兵訓練所で憲兵として様々な事を学んだ 法律の勉学に、拳銃と軍刀の訓練、そして馬術。 その後は無事憲兵として、規律と治安維持や防諜活動に励んでいった また夜には防諜として中国の平服に着替え、スパイ映画みたいに敵無線傍受を行ったり、変装した憲兵が、一人が傍受機を人力車に乗りながら、無線傍受を行うという事も行われた 娼婦にモテたり、詰め所に日本兵の強盗が入ってきて捕まえたり 怪談話もあり中々楽しめて読めた2013/02/23
ヘムレンしば
0
戦争ものの作品では恐ろしかったり、何かとウザいそんざいだったりする憲兵。実際どんなもんかしらん?と思って読んでみましたけど、作者さんはスパイ無線の電探係なので、スパイとの攻防はあるけど修羅場とかは無いって感じですね。敵地占領地である支那の話なのに、住民との関係も険悪なもので無く、なんとものんびりした雰囲気なのがちょっと意外でした。2022/12/23
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- 和書
- 銀涛の冏